FXの口座を比較していると、「LION FX」という名前を目にすることが多いのではないでしょうか。取扱通貨ペアの多さや取引ツールの豊富さで知られていますが、実際のコストやリスクの仕組みまで踏み込んで整理された情報は意外と少ないものです。この記事では、運営会社の基本情報から取引条件、スプレッド・スワップの考え方、ロスカットの仕組み、口座開設の流れまで、公式サイトの記載にもとづいて整理していきます。
ヒロセ通商(LION FX)とはどんな会社か
ヒロセ通商株式会社は、大阪市西区新町1丁目3番19号MGビルディングに本社を置くFX会社です。設立は2004年で、資本金は1,115,416千円、代表取締役は野市裕作氏が務めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | ヒロセ通商株式会社 |
| 本社所在地 | 大阪市西区新町1丁目3番19号MGビルディング |
| 設立 | 2004年 |
| 資本金 | 1,115,416千円 |
| 代表取締役 | 野市裕作氏 |
| 登録番号 | 近畿財務局長(金商)第41号 |
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業務内容は第一種金融商品取引業と商品先物取引業(店頭商品デリバティブ取引)で、登録番号は近畿財務局長(金商)第41号です。加入協会は一般社団法人金融先物取引業協会、日本証券業協会、日本商品先物取引協会、日本投資者保護基金と幅広く、複数の業界団体に加盟したうえで事業を行っている会社だとわかります。
「LION FX」は、このヒロセ通商が提供するFX取引サービスの名称です。会社そのものではなくサービス名という点は、社名とサービス名が混同されやすい業界だからこそ、あらためて押さえておきたいポイントです。
なお、預かった証拠金は三井住友銀行への信託保全という形で管理されています。信託保全とは、会社の資産と顧客から預かった資金を分けて管理する仕組みのことで、たとえるなら「お店の売上金庫」と「お客様から預かった品物」を別の場所で保管するようなものです。万が一の経営悪化があっても、顧客の資産は会社の資産とは切り離して守られる、という制度上の建て付けになっています。
LION FXの通貨ペア数と取引の基本条件
LION FXで取引できる通貨ペアは54種類で、これに加えて大口取引専用の通貨ペアが6種類用意されています。取引単位は1Lot=1,000通貨が基本ですが、一部の通貨ペアはこれと異なる単位が設定されているため、取引したいペアがある場合は公式サイトの一覧で確認しておくと安心です。
参考までに、同じFXサービスであるみんなのFXは51通貨ペア(2025年9月時点、公式サイトによる)、GMO外貨は20通貨ペア以上(公式サイトによる)を取り扱っており、いずれも各社が自社サイトで公表している数字です。取り扱う通貨ペアの種類が多いほど、マイナー通貨も含めた幅広い選択肢から取引先を選べることになります。ただし、種類が多いことと、実際に自分が取引したい通貨ペアの条件(スプレッドや取引単位など)が良いかどうかは別の話なので、気になる通貨ペアがあれば個別に確認しておくとよいでしょう。
取引手数料と口座維持費は、いずれも無料です。ただし、後述するスプレッド(売値と買値の差)が実質的な取引コストになる仕組みなので、「手数料がかからない=コストがかからない」というわけではありません。
個人口座のレバレッジは最大25倍です。これは、必要証拠金が想定元本の4%以上という計算方法にもとづいた数値で、たとえば100万円分の取引をする場合、最低でも4万円程度の証拠金が必要になる、というイメージです。少ない資金で大きな金額を取引できる分、相場が逆に動いたときの影響も同じ倍率で大きくなる、という性質は変わりません。
両建て(同じ通貨ペアで買いと売りの両方のポジションを持つこと)も可能ですが、初期設定では「両建てなし」になっています。両建てを利用したい場合は、自分で設定を変更する必要がある点は覚えておくとよいでしょう。
保有できるポジション数は、通貨ペアにかかわらず合計1,300ポジションまでで、1日あたりの取引回数に制限は設けられていません。
スプレッド・スワップ・入出金
スプレッドは通貨ペアごとに異なり、公式サイトのスプレッド一覧で確認できる仕組みになっています。例えば米ドル/円であれば、午前9時から翌午前3時までは0.2銭、それ以外の時間帯(午前3時から午前9時)は5.9銭という表示です。このように、同じ通貨ペアでも時間帯によって数値が切り替わる設計になっているため、「スプレッドが狭い」という印象だけで判断すると、実際に取引したい時間帯では条件が異なっていた、ということも起こりえます。
また、公式サイトでは一部の通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/米ドル、ユーロ/円、ポンド/米ドル、ポンド/円、豪ドル/円の大口取引など)について、「原則固定配信の対象外」と明記されています。加えて、経済指標の発表時や市場の流動性が低下する時間帯、天変地異などのイレギュラーな事態が発生した際には、表示されているスプレッドより広がることがある、という注意点も示されています。特に、トルコリラや南アフリカランドといった、いわゆるマイナー通貨は、各国の日中帯以外の時間は流動性が低くなりやすく、スプレッドが大きく開いたり、レート配信自体が一時的に止まったりする可能性がある点も公式に注意喚起されています。
スワップポイントは、営業日の取引終了時点で未決済のポジションを保有していた場合に発生します。通常は1日分ですが、水曜日の取引終了時には土日分を含めた3日分が付与される仕組みです。米ドル/カナダドルと米ドル/トルコリラについては、この3日分の付与が木曜日になるという例外もあります。受け取れる場合もあれば、通貨ペアの組み合わせや金利情勢によっては支払いが発生する場合もあるため、「スワップ=もらえるもの」と決めてかからないほうがよいでしょう。
入出金については、クイック入金・クイック入金ATM・一般振込の3つの方法が用意されています。クイック入金は手数料が無料で反映も早いのが特徴ですが、利用するには1万円以上という条件があります。初回の入金についても1万円以上が必要で、2回目以降は金額の制限がありません。出金は通常出金とリアルタイム出金の2種類があり、1営業日にはどちらか一方のみ利用できる仕組みです。リアルタイム出金を使う場合は、1,000円以上100万円以下という利用可能額の範囲が設けられています。
ヒロセ通商・口座開設はこちらロスカットとリスク
ロスカットは、有効比率(有効証拠金÷必要証拠金×100)が100%を下回った時点で執行される仕組みです。判定はおよそ数秒(1〜10秒)ごとに行われており、実際に有効比率が100%を割り込んでから執行されるまでのタイミングには、多少のずれが生じることもあります。複数のポジションを保有している場合は、約定日時が古いものから順に成行で決済されていきます。
ここで大切なのは、ロスカットが「損失をこの範囲に必ず抑える」という保証ではない、という点です。公式サイトでも「損失の拡大を防ぐことを目的としているが、損失を限定させるものではない」と明記されています。相場が急変した場合には、想定していた水準で決済できないこともあり、結果として証拠金を上回る損失が発生する可能性があります。特に、週末から週明けにかけて為替レートが大きく動いた場合や、重要な経済指標が発表された直後などは、いわゆる「週末リスク」としてこうした事態が起こりやすいとされています。
なお、追証(追加証拠金)制度は設けられていません。ただし、入金した金額を上回る損失が発生し、口座に不足金が生じた場合は、不足金発生日の2営業日後の15時までに、指定の口座へ入金する必要があります。この期限までに入金がなかった場合には、遅延損害金(年率14.6%)が発生する場合があるとも案内されています。「追証がない=損失が出ても払わなくていい」という意味ではない点は、誤解のないよう理解しておきたいところです。
取引ツールと注文方法
LION FXでは、パソコン・スマートフォン・iPadなど、複数の環境に対応した取引ツールが用意されています。パソコン向けには「LION FX C2」をはじめとした高機能ツールがあり、ブラウザ上で動く「LION Web」を使えば、専用ソフトをインストールせずに取引することもできます。スマートフォンやタブレットについては、iPhone・Android・iPad向けにそれぞれ専用アプリが提供されています。
注文方法は27種類に対応しており、成行や指値といった基本的な注文はもちろん、複数の条件を組み合わせた発注もできる仕組みです。ただし、使えるツールや注文方法は環境によって差があるため、「LION FXなら何でもできる」と一括りにするのではなく、自分が使う予定の端末でどの注文方法が使えるのかを事前に確認しておくと、実際に取引を始めてからのギャップを減らせるはずです。
口座開設の流れ
口座開設は、公式サイトの申込フォームに必要事項を入力するところから始まります。入力後は本人確認書類とマイナンバー確認書類の提出が必要です。
取引を開始できるまでの期間は、本人確認の方法によって変わります。スマートフォンでの「かんたん本人確認」、またはネットバンキングを使った「かんたん本人確認」を利用すれば、郵送物の受け取りが不要になり、最短で申込当日のうちに取引を始められる場合があります。一方、本人確認書類を画像アップロード・メール添付・FAX・郵送のいずれかで提出する場合は、ユーザーIDとパスワードが転送不要の郵便で自宅に届くのを待つ必要があるため、取引開始は最短でも翌日以降になります。
審査や開設手続きにかかる期間は、通常1〜2営業日です。申込内容に不備があったり、審査に時間がかかったりする場合は、これより長くなることもあります。
口座開設の対象は18歳から74歳までとなっており、この年齢の範囲外の方は申し込みができません。
よくある質問
大口通貨ペアとは何ですか?通常の通貨ペアと何が違いますか?
大口通貨ペアは、米ドル/円や、ユーロ/米ドルなど主要な6通貨ペアについて、通常よりも大きな金額での取引を想定して別建てで用意されているものです。スプレッドの水準も通常ペアとは別に設定されているため、取引量が大きくなる方向けの選択肢という位置づけです。
追証がないなら、口座残高以上の損失を心配しなくていいですか?
いいえ、そうとは限りません。追証(追加証拠金の請求)という制度自体はありませんが、入金額を上回る損失が発生して口座に不足金が生じた場合は、不足金発生日の2営業日後の15時までに入金する必要があります。追証がないことと、損失が発生しないことは別の話だと理解しておく必要があります。
トルコリラなどのマイナー通貨を取引するときに気をつけることはありますか?
トルコリラやハンガリーフォリント、メキシコペソなど、いわゆるマイナー通貨は、各国の日中帯以外の時間で流動性が低くなりやすい傾向があります。スプレッドが大きく広がったり、一時的にレートの配信が止まって取引できなくなったりする可能性がある点は、事前に知っておくとよいでしょう。
口座開設にはどのくらい時間がかかりますか?
本人確認書類とマイナンバー確認書類が揃ってからの審査・開設手続きは、通常1〜2営業日です。スマートフォンでの「かんたん本人確認」を使えば、最短で申込当日中に取引を始められる場合もありますが、郵送でのやり取りが必要な方法を選んだ場合は、その分日数がかかります。
クイック入金はネットバンキングを契約していないと使えませんか?
通常、クイック入金を利用するには金融機関のインターネットバンキング契約が必要ですが、LION FXでは契約がない場合でも「クイック入金ATM」を使って入金できます。ATMの利用可能時間内であれば、通常の銀行振込では翌営業日扱いになってしまう15時以降の入金でも、即時に反映される点が特徴です。
まとめ
LION FXは、54種類の通貨ペア、複数の取引ツール、27種類の注文方法など、選択肢の多さが特徴のFXサービスです。一方で、スプレッドは通貨ペアや時間帯によって変動し、原則固定配信の対象外となるペアもある点、スワップポイントは受け取りだけでなく支払いになる場合がある点、ロスカットは損失を限定する保証ではない点は、始める前に押さえておきたい基本です。
FXは、証拠金を上回る損失が生じる可能性がある取引です。この記事で紹介した取引条件やリスクの仕組みを踏まえたうえで、実際の口座開設を検討する際は、公式サイトで最新のスプレッドやキャンペーン情報もあわせて確認してみてください。
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