FXや投資の経験がまったくない方にとって、「レバレッジをかけて取引したら、預けた金額以上の損失が出た」という話は、一番怖いイメージかもしれません。FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社が運営)には、こうした不安に応えるように、あらかじめ決めた金額以上は絶対に損をしない「ノックアウトオプション」という仕組みが用意されています。この記事では、公式情報にもとづいて、FXTFの取引の仕組みと、初めての方が押さえておきたいポイントを整理していきます。

1. ゴールデンウェイ・ジャパンとはどんな会社か

同社は東京都港区三田に本社を置く会社で、2006年6月に「エフエックスフォー・ジャパン株式会社」として設立されました。2008年8月に「株式会社FXトレード・フィナンシャル」、2019年4月に現在の「ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社」へと、2度の社名変更を経ています。サービスの通称である「FXTF」は、この社名とは別のブランド名にあたります。資本金は1億円で、親会社はシンガポールに拠点を置くFXTF HOLDINGS Pte. Ltd.(持株比率100%)です。代表取締役社長は2019年6月に就任した呉一帆氏です。

登録・許認可としては、第一種金融商品取引業者(関東財務局長(金商)第258号)であるとともに、商品先物取引業の許可も受けています。加入団体は、一般社団法人金融先物取引業協会(FX会社などが加盟する業界団体で、会員番号第1570号)、一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(暗号資産関連の業界団体、第1040号)、日本商品先物取引協会、一般社団法人資産運用業協会(会員番号012-02639)です。

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サービスの展開としては、2011年にFX専用の「FXTF MT4」を開始し、2021年に独自システムの「FXTF GX」を追加。その後、商品CFD・暗号資産CFD・ノックアウトオプション(FX・商品・暗号資産のそれぞれ)へと段階的に取扱いを広げ、2026年5月にはチャート分析サービス「TradingView」との連携も始まっています。FXだけでなく、複数の資産・複数の取引スタイルを1社で扱えるように拡張してきた会社、というのが全体像です。

2. MT4とGX、2つの取引システムの違い

FXTFで最初につまずきやすいのが、「FXTF MT4」と「FXTF GX」という、2つの取引システムの関係です。結論から言うと、この2つは同じ仕組みの中の別バージョンではなく、まったく別の取引口座です。

FXTF MT4は、世界中の多くのFX会社で使われている「MetaTrader4」という共通の取引ソフトを使う、FX専用の口座です。多くのトレーダーが慣れ親しんでいる操作性やチャート機能が使える一方、扱えるのはFXのみです。

一方のFXTF GXは、FXTFが独自に用意した取引システムで、FXに加えて、商品CFD・暗号資産CFD・ノックアウトオプションまで、幅広い商品を1つの画面で扱えるようになっています。2026年からはTradingView(世界的に使われているチャート分析サービス)と接続して取引することもできます。

ここで注意したいのが、口座の管理方法です。GX口座を開設したからといって、自動的にMT4も使えるようになるわけではありません。逆もまた同様です。それぞれの口座は個別に申込が必要で、1つの顧客用マイページから、複数の専用口座をまとめて管理する、という関係になっています。すでにどちらかの口座を持っている場合は、マイページの「各種サービス申込」から、もう一方を追加で申し込む形です。なお、MT4・GX-FX・GX-商品CFD・GX-暗号資産CFD・GX-FX KO・GX-商品KO・GX-暗号資産KOの各口座間では、資金を振り替えて使うことができます(ただし法人はノックアウトオプション口座を開設できません)。

3. ゼロスプレッドと建玉連動手数料の仕組み

FXTFの取引条件を理解するうえで欠かせないのが、「ゼロスプレッド」と「建玉連動手数料」という2つの言葉です。

まず、スプレッドとは、売る値段と買う値段の差のことで、実質的にFX会社に支払う取引コストにあたります。FXTFでは、毎営業日午前9時から翌午前3時までの間、FXの全通貨ペアでこのスプレッドが「ゼロ」に設定されています。ただし、これはあくまで「原則」であり、相場が急に大きく動いたときや、市場の流動性が下がっているとき、重要な経済指標の発表前後などには、この時間帯であってもスプレッドが広がることがあるとされています。時間外については、たとえば米ドル/円で3.8銭、ユーロ/円で5.8銭といった上限の目安が示されています。

ここで初心者の方が誤解しやすいのが、「スプレッドが0円なら、取引コストもゼロなのでは」という点です。実際には、FX・商品CFD・暗号資産CFDの取引には、スプレッドとは別に「建玉連動手数料」という費用がかかります。建玉(たてぎょく)とは、まだ決済していない、保有中のポジションのことです。この手数料は、同じ銘柄・同じ売買方向で保有している建玉の数量と、新しく注文する数量を合計した量に応じて手数料の段階(ランク)が決まり、そのランクに応じた単価が新規注文分にかけられる仕組みです。新規に注文したタイミングで有効証拠金から差し引かれ、決済するときには、この手数料が残高に反映される形になります。決済注文そのものに追加の手数料がかかるわけではありません。

たとえば、すでに保有している米ドル/円の売り注文が5万通貨あるところに、新たに8万通貨の売り注文を出すと、合計13万通貨になります。この合計量によって手数料の段階が決まり、ある段階が適用される例では、新規注文分について320円程度の手数料になる、という計算例が示されています。実際の金額は銘柄や数量、その時点のランクによって変わるため、あくまで一例として捉えてください。なお、暗号資産CFDには、この建玉連動手数料に加えて、前営業日の終値をもとにした「レバレッジ手数料」も別途発生します。「スプレッドがゼロ」という言葉だけを見て、取引コストが完全に無料だと考えてしまうと、想定と違う結果になりかねないので、この仕組みは最初に理解しておきたいところです。

4. FX取引の条件(MT4とGX-FXの比較)

FXTFでFXを取引する場合、MT4口座とGX-FX口座のどちらを選んでも、基本的な条件は似ていますが、細かい違いもあります。

項目FXTF MT4FXTF GX-FX
取扱通貨ペア数(個人)30通貨ペア29通貨ペア
最低取引単位1,000通貨1,000通貨(0.1ロット)
レバレッジ(主要通貨)25倍25倍
レバレッジ(ZAR/円・MXN/円)12.5倍12.5倍
取引ツールPCインストール版・ブラウザ版・スマホ版MT4ブラウザ版・専用スマホアプリ・TradingView

※横にスクロールして確認できます。

レバレッジとは、証拠金と呼ばれる担保となるお金を預けることで、その何倍もの金額の取引を可能にする仕組みです。少ない元手で大きな金額を動かせる分、価格が予想と反対に動いたときの損益も、その何倍にも大きくなる点はあわせて理解しておく必要があります。

なお、取扱通貨ペア数は同じくらいに見えますが、実際にはEUR/NZDやGBP/NZDなど、一部の通貨ペアはすでに新規の取引ができず、保有しているポジションの決済のみ受け付けている状態です(MT4ではこれに加えてTRY/円も同様の扱いです)。ペア数だけを見て「これだけ選べる」と判断せず、実際に新規で取引したい通貨ペアが現役かどうかは、申し込み前に確認しておくと安心です。法人口座のレバレッジについては、個人のような固定倍率ではなく、金融先物取引業協会が算出する為替リスクの想定比率などをもとに、毎週見直される仕組みになっています。

5. 商品CFD・暗号資産CFD

FXTFでは、FX以外にも、商品(コモディティ)と暗号資産のCFD取引ができます。CFDとは「差金決済取引」の略で、金の延べ棒やビットコインそのものを実際に保有するのではなく、価格が上がったか下がったかという「差額」だけをやり取りする取引の仕組みです。現物を保管する手間や費用をかけずに、値動きだけを取引対象にできる点が特徴です。

商品CFDで扱っているのは、金・銀・原油・天然ガスの4銘柄です。個人口座のレバレッジは証拠金率5%(20倍)で、天然ガスのみ取引時間中24時間ゼロスプレッドの対象になっていますが、金・銀・原油はゼロスプレッドの対象外とされています。いずれの銘柄にも、先ほど説明した建玉連動手数料がかかります。

暗号資産CFDは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)を、円建て・ドル建てそれぞれで扱う4銘柄です。個人口座のレバレッジは証拠金率50%(2倍)と、FXの最大25倍と比べるとかなり低い設定になっています。これは、暗号資産が値動きの大きい資産であることを踏まえた設定と考えられます。取引時間中は24時間ゼロスプレッドとされていますが、建玉連動手数料に加えて、前営業日の終値をもとに計算される「レバレッジ手数料」も別途発生する点は、FXや商品CFDとの違いとして押さえておきたいところです。

6. ノックアウトオプションという選択肢

FXTFのサービスの中でも、他のFX会社ではあまり見かけない特徴的な商品が「ノックアウトオプション(KO)」です。

通常のFXやCFDでは、相場が予想と反対に大きく動いた場合、預けた証拠金以上の損失が出てしまう可能性があります。これに対してノックアウトオプションは、取引を始める時点で支払う「オプション料」が、そのままその取引での最大損失額になる、という仕組みです。価格があらかじめ決めた「ノックアウト価格」に到達すると、オプションとしての権利はそこで消滅し、最初に支払ったオプション料がそのまま損失として確定します。つまり、いくら相場が急変しても、最初に払った金額以上に損をすることはない、という設計です。ただし、支払ったオプション料自体が価値ゼロになってしまう可能性はあるので、「損はしない」わけではなく、「あらかじめ決めた金額より損失が膨らむことはない」という、損失の上限を区切る仕組みだと理解しておくとよいでしょう。なお、新規に申し込めるのは価格上昇を見込む「ブル」、下落を見込む「ベア」の買い注文のみで、売り注文はできません。

ノックアウトオプションには、FX(7通貨ペア)、商品(金・銀・原油・天然ガスの4銘柄)、暗号資産(BTC・ETHの円建て・ドル建て4銘柄)の3種類があります。取引期限は、FXと商品が原則1か月(4週間)、暗号資産が1週間と短めに設定されています。また、これらの口座を新しく申し込むには、FX・CFD・商品先物・オプション・暗号資産関連デリバティブのいずれかの取引経験が条件になっており、条件を満たしていても審査によっては開設できない場合があるとされています。法人はこの口座を開設できません。

公式サイト

7. 口座開設の流れと、資産管理の実態

口座開設の方法は、本人確認のやり方によって2パターンに分かれます。

  1. スマホでスピード開設 スマートフォンでセルフィー(自撮り)と本人確認書類を撮影して提出する方法です。審査を通過すれば、メールの案内に沿ってWeb上でID・パスワードを確認でき、最短で申込当日から取引を始められるとされています。
  1. 通常開設 本人確認書類とマイナンバー確認書類を、アップロード・Eメール・郵送のいずれかで提出する方法です。この場合は、口座情報を記載した書面が簡易書留郵便で届く形になり、確認書類を受け取ってから最短1営業日で開設が完了するとされています。

申込の条件としては、日本国内に住んでいる満20歳以上・満75歳以下の方で、年収・金融資産・換金可能資産のいずれかが30万円以上であることなどが挙げられています(日本国籍でない場合は、在留資格の有効期間が6か月以上必要です)。

預けた資産の管理についても触れておきます。FXTFでは、顧客から預かった証拠金を、評価損益を含めて自社の資産とは分けて管理する「信託保全」という仕組みを採用しており、信託先は日証金信託銀行です。これは、預けたお金をFXTF自身の運転資金と混ぜずに、別の信託銀行に分けて管理してもらう仕組みで、万が一FXTFが経営破綻した場合でも、信託されている資産は原則として全額返還されるとされています。

一方で、証券会社に適用されることがある「投資者保護基金」(証券会社が破綻した際に、顧客1人あたり一定額を補償する制度)については、2025年3月期の開示資料および現行の会社概要のいずれにも、加入している旨の記載は見当たりません。日本投資者保護基金の説明では、外国為替証拠金取引や店頭CFDはそもそも補償の対象外とされています。FXTFは、先ほど触れた信託保全という形で顧客資産を管理していますが、この信託保全と投資者保護基金は、それぞれ別の制度である点は理解しておくとよいでしょう。

8. 他のFX・証券サービスとの違いから見えてくる特徴

FXを扱う会社は複数ありますが、FXTFを他社と並べてみると、際立つ特徴が見えてきます。

もっとも大きな違いは、通常のFX・CFD取引に加えて、損失をあらかじめ決めた金額に抑えられるノックアウトオプションを扱っている点です。予想外の値動きで証拠金以上の損失を出すことに不安がある人にとっては、選択肢のひとつになります。また、FXだけでなく商品CFD・暗号資産CFDまで幅広い資産を1社で扱っている点、TradingViewと接続して取引できる点も特徴です。一方で、ゼロスプレッドとされる時間帯でも建玉連動手数料が別途かかる点や、投資者保護基金には加入していない点は、他社と比較する際に確認しておきたいポイントです。

サクソバンク証券GMO外貨ウィブル証券みんなのFXヒロセ通商(LION FX)松井証券についてもそれぞれ記事で条件を整理していますので、通常のFX取引を重視するのか、損失の上限を区切れる取引スタイルを重視するのか、自分に合った基準で比較してみてください。

9. よくある質問

FXがまったくの初めてでも、いきなりノックアウトオプションを使えますか?

ノックアウトオプションの口座を申し込むには、FX・CFD・商品先物・オプション・暗号資産関連デリバティブのいずれかの取引経験が条件になっているとされています。条件を満たしていても、審査の結果によっては開設できない場合もあるとされているため、まったくの未経験であれば、まずFXTF MT4やFXTF GX-FXでFX取引に慣れてから検討するのも一つの方法です。

暗号資産CFDは、なぜFXよりレバレッジが低いのですか?

個人口座の場合、FXのレバレッジが最大25倍であるのに対し、暗号資産CFDは2倍(証拠金率50%)に設定されています。暗号資産は他の資産と比べて価格変動が大きいとされており、その分レバレッジの上限が低めに設定されていると考えられます。

出金を申し込んだら、その日のうちに振り込まれますか?

出金依頼はマイページから24時間受け付けていますが、処理は原則1日1回で、平日8時59分までの依頼が当日受付、9時以降の依頼は翌銀行営業日の受付になるとされています。「依頼を当日受け付けてもらえること」と「当日中にお金が振り込まれること」は別の話なので、急いで出金したい場合は依頼するタイミングに注意しておくとよいでしょう。

法人でも口座を開設できますか?

法人口座も用意されていますが、ノックアウトオプションの口座は法人では開設できないとされています。また、法人口座のレバレッジは、個人口座のような固定倍率ではなく、金融先物取引業協会が算出する為替リスクの想定比率などをもとに毎週見直される仕組みになっている点も、個人口座との違いです。

TradingViewは無料で使えますか?

FXTF GX口座からTradingViewに接続して取引する場合、標準で使えるのはTradingViewの無料版「Basicプラン」相当の機能とされています。より高度な有料プランの機能を使いたい場合は、TradingView側と別途契約・支払いが必要になるとされているため、無料の範囲でどこまでできるかは事前に確認しておくとよいでしょう。

10. まとめ

FXTF(ゴールデンウェイ・ジャパン株式会社)は、2006年設立、シンガポールの企業を親会社に持つ会社で、MT4を使ったFX専用口座と、FX・商品CFD・暗号資産CFD・ノックアウトオプションまで扱える独自システム「GX」の、2つの取引システムを提供しています。ゼロスプレッドとされる時間帯でも建玉連動手数料は別途かかる点、投資者保護基金には加入していない点は、契約前に理解しておきたいポイントです。

一方で、損失をあらかじめ決めた金額に抑えられるノックアウトオプションは、他のFX会社ではあまり見られない選択肢で、値動きへの不安を抑えながら取引を始めたい人にとっては検討材料になります。まずは公式サイトで自分が使いたい商品(FX・商品CFD・暗号資産CFD・ノックアウトオプション)の条件を確認したうえで、他のFXサービスとも比較しながら、自分に合った取引スタイルを見極めてみてください。

この記事の著者

吉田 直樹

吉田 直樹(資金調達マップ編集部)

資金調達マップ編集部の編集責任者。ファクタリングや各種融資、補助金・助成金まで、資金調達に関する幅広いテーマの記事編集を統括している。金融・経済分野での長年の編集経験を活かし、専門的で複雑になりがちな情報を、事業者にとって正確でわかりやすいコンテンツに仕上げることを重視。編集部全体の記事品質と中立性の担保に努めている。

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