「提示された手数料は高いのか」「費用を引いた後、必要な資金は残るのか」―――ファクタリングの見積もりでは、料率だけでは判断できない点があります。

手数料は契約方式や売掛債権の条件によって異なり、追加費用で受取額が変わる場合もあります。この記事では、相場と計算例を基に、費用を抑える方法や契約の注意点を解説。利益や利用後の資金繰りまで踏まえ、自社に合う条件を判断するポイントを整理します。

1. ファクタリング手数料の相場|2社間・3社間で異なる理由

ファクタリング手数料の相場を見る際は、まず2社間と3社間を区別しましょう。売掛先の関与や回収経路が異なり、手数料の水準にも差があるためです。

1-1. 2社間・3社間の手数料相場を比較

ファクタリングは、売掛債権を売却し、支払期日より前に資金化する仕組みです。契約には、利用者とファクタリング会社で進める「2社間」と、売掛先も関与する「3社間」があります。

HTファイナンスが2026年6月の同社調べとして公表している料率の幅を参考に、各方式の違いを整理します。

比較項目2社間ファクタリング3社間ファクタリング
公表されている料率の幅の参考値5〜18%1〜9%
契約に関わる当事者利用者・ファクタリング会社利用者・ファクタリング会社・売掛先
売掛先への通知・承諾原則不要売掛先の承諾を得て進める
売掛金の主な入金経路売掛先から利用者へ入金後、ファクタリング会社へ送金売掛先からファクタリング会社へ直接入金
手数料の傾向利用者を経由する回収リスクなどが加わり、高くなりやすい直接回収できるため、低くなりやすい

※料率は一事業者の公表情報に基づく参考値であり、業界全体の平均値や、各サービスの上限・下限を示すものではありません。

例えば、OLTAクラウドファクタリングは2社間で手数料2〜9%を案内しています。相場は比較の目安とし、自社に適用される条件は個別の見積もりで確認しましょう。

1-2. 手数料が発生する理由と、2社間で高くなりやすい背景

ファクタリング会社は、売掛金の支払期日を待たずに買取代金を支払います。その後、売掛先の倒産などで回収できなくなるリスクを引き受けるほか、取引の確認や審査、契約、債権管理にも費用がかかります。

手数料には、こうしたリスクや業務コストに加え、ファクタリング会社の利益が含まれています。

2社間では、通常、利用者が売掛先から入金を受け、そのお金をファクタリング会社へ送金します。売掛先が予定どおり支払っても、利用者が別の支払いに使ってしまうなど、ファクタリング会社への送金が行われないリスクが残る仕組みです。

一方、3社間では売掛先から直接回収するため、利用者を経由することによる送金リスクを抑えられます。この違いが、手数料に差が生まれる理由の一つです。

ただし、3社間でも売掛先そのものの不払いリスクは残ります。「売掛先の承諾があるから必ず回収できる」という意味ではありません

1-3. 広告の「最低料率」と自社に適用される料率は違う

「手数料1%〜」という表示を見ると、低い費用で利用できるように感じるものです。

しかし、売掛先や債権の内容を確認した後で、実際の料率が提示されるサービスもあります。広告を見る段階と、審査後に契約条件を確認する段階は分けて考えましょう。

見積もりを受け取ったら、まずは次のように確認すると話が具体的になります。

「この料率は、今回の請求書を審査した後の確定条件ですか。それとも、まだ目安の段階ですか。」

審査後の適用料率が分かったら、実際の費用と受取額を計算します。

2. 手数料の計算方法と追加費用|最終受取額と負担を確認する

料率が分かったら、次は金額に置き換えます。

確認したいのは、「費用が合計でいくらかかるか」と「支払いに使えるお金がいくら残るか」の2点です。請求書の額面だけを見て資金調達の予定を立てると、手数料が差し引かれた結果、必要額に届かないことがあります。

2-1. 手数料と最終受取額の計算方法

売却する売掛債権の額面に手数料率を掛ける契約では、次の式で計算できます。

手数料=売却する売掛債権額×手数料率

さらに、別途発生する費用も買取代金から差し引かれる場合、受取額は次のとおりです。

最終受取額=売掛債権額-手数料-別途差し引かれる費用

例えば、100万円の売掛債権を手数料率8%で売却し、追加費用がないと仮定します。

項目計算・金額
売却する売掛債権額100万円
手数料100万円×8%=8万円
最終受取額100万円-8万円=92万円

※説明のための仮の計算例です。実際の契約では、料率を掛ける対象額や費用の精算方法を確認してください。

この条件で確保できるのは92万円です。支払予定額が95万円なら、100万円の請求書を売却しても3万円不足します。

また、費用を別途振り込む契約では、口座に入った金額と、費用負担後に手元に残る金額が一致しません。入金額だけで判断せず、別払いする費用も差し引いて資金計画を立てましょう。

2-2. 手数料以外に発生する可能性がある費用

追加費用の有無はサービスや契約によって異なります。提示された料率に含まれる費用と、別途負担する費用を分けて確認することが大切です。

費用の項目発生する場面確認するポイント
債権譲渡登記の関連費用登記を行う契約登録免許税・司法書士報酬などの内訳と負担者
審査・事務手数料別料金として設定されている場合買取手数料に含まれているか、別請求か
振込手数料買取代金の入金時や、回収金の送金時どちらが負担し、何回発生するか
印紙代印紙税の課税対象となる紙の契約書を作成する場合文書の内容に応じた税額と負担方法
出張費・郵送費など訪問契約や書類の郵送が必要な場合発生条件と金額が事前に示されているか

印紙代も一律ではありません。国税庁は、売掛債権譲渡契約書を原則として第15号文書に該当すると説明する一方、継続的な取引の基本契約は第7号文書に該当する場合があるとしています。電子契約の電磁的記録そのものは、印紙税の課税対象ではありません。

2-3. 料率が低くても、最終受取額が多いとは限らない

同じ100万円の債権を売却する場合でも、追加費用によって比較結果が変わります。

次の表は、入金日などの条件が同じで、すべての費用が買取代金から差し引かれると仮定した見積もり例です。

比較項目A社B社
売却する売掛債権額100万円100万円
手数料率5%7%
手数料の金額5万円7万円
追加費用の総額3万円0円
総費用8万円7万円
最終受取額92万円93万円

※架空の比較例です。特定のサービスの料金や実際の契約事例ではありません。

料率だけならA社が低いものの、総費用ではB社が1万円安く、受取額も1万円多くなります。

見積もりを確認するときは、「今回、負担する費用は全部でいくらですか。別払いするものも含めて教えてください」と聞くと、比較する金額が明確になります。

内訳を確認したうえで、手数料に含まれている費用を二重に加算していないかも確かめましょう。

2-4. 必要額だけでなく、利益と翌月の資金繰りも確認する

必要な支払いに間に合っても、費用負担が大きければ、その後の経営に影響します。

例えば、消費税を考慮しない仮の試算で、売上100万円、売上原価80万円なら、粗利益は20万円です。債権の資金化に8万円かかると、粗利益の40%に相当する負担になります。

粗利益から資金調達費用を差し引くと12万円です。さらに販売費や管理費などもかかるため、売上に対する料率が低く見えても、利益への影響は小さいとは限りません。

※利益に対する費用負担を示した試算であり、会計上の粗利益を直接減額する意味ではありません。

もう一つ確認したいのが、本来の入金予定日以降の資金残高です。

ファクタリングで受け取るお金は、将来の売掛金を前倒ししたものです。2社間で売掛先から入金を受ける場合も、その回収金は契約に従ってファクタリング会社へ送金するため、再び自由に使える資金として計上できません。

資金繰り表には、今回の受取額と、本来の入金予定日に自社で使える資金が減ることを反映し、その後の支払いまで賄えるかを確認しましょう。

3. ファクタリング手数料を左右する主な要因

同じ100万円の請求書でも、提示される手数料が同じとは限りません。

審査では、額面だけでなく「誰が支払うのか」「いつ入金されるのか」「請求どおりの金額を回収できるか」が確認されます。第1章で説明した契約方式に加え、次のような条件が判断材料になります。

3-1. 売掛先の信用力と過去の支払実績

売掛先の信用力は、手数料を左右する重要な要素です。売掛金を支払う企業の経営状況や支払能力が、回収の見通しに関わるためです。

ただし、会社の知名度や規模だけで決まるわけではありません。継続して取引があるか、過去の請求に対して期日どおり入金されているかといった支払実績も判断材料になります。

ここで区別したいのは、「長い付き合いがあること」と「支払いが安定していること」です。取引年数が長くても、支払日の変更や遅延が繰り返されていれば、回収への懸念は残ります。

3-2. 売掛金の支払期日までの日数

支払期日までの期間も、条件に影響します。

ファクタリング会社が買取代金を支払ってから回収するまでの期間が長いほど、その間の売掛先の業況変化などを考慮する必要があるためです。ほかの条件が同じなら、期日が近い債権は手数料を抑えやすい傾向があります。

ただし、「日数が半分なら手数料も半分」という計算にはなりません。料率の決め方はサービスによって異なり、期間に応じた日割り計算が行われるとは限らないためです。

また、支払期日が近い債権と、すでに期日を過ぎて未入金の債権は別物です。後者は支払遅延が発生しているため、通常の期日前債権と同じ条件で評価されるとは考えない方がよいでしょう。

3-3. 売却する債権の金額

債権額によって、手数料率が変わる場合もあります。

審査や契約には、少額の取引でも一定の作業が必要です。その費用を買取金額に対する割合で回収する料金体系では、少額の債権ほど料率が高くなることがあります。

一方、高額なら必ず低料率になるわけではありません。不払いになったときの損失額も大きくなるため、売掛先の信用力やファクタリング会社の買取方針との組み合わせで判断されます。

3-4. 債権の実在性を確認できる資料と取引内容

請求書があっても、それだけで取引の全体像が分かるとは限りません。

例えば、納品後の検収を条件に支払額が確定する取引では、請求書の発行に加えて、検収が完了しているかも重要です。返品・値引き・相殺などにより、請求額と実際の入金額が変わる条件がないかも確認対象になります。

取引内容を把握する資料には、次のような役割があります。

資料の例確認する内容
契約書・発注書取引の内容、金額、支払条件
納品書・検収書納品や検収の状況
請求書今回の請求額と支払期日
通帳・入出金明細過去の入金実績や取引の継続性

※必要書類はサービスや案件によって異なり、すべての資料が必須という意味ではありません。

取引の実在性や支払条件を確認できなければ、追加資料を求められたり、買取対象外になったりする場合があります。

3-5. 利用実績と過去の契約履行状況

過去に同じファクタリング会社を利用している場合、その取引実績が条件の判断材料になることがあります。

特に2社間では、売掛先から回収したお金を契約どおりに送金してきたかが重要です。利用者の情報や取引の流れをすでに把握できていることも、初回との違いになります。

ただし、利用回数に応じた値下げが保証されるわけではありません。前回と売掛先や支払条件が変われば、評価も変わります。

なお、料率が一律のサービスでは、こうした要因が手数料の変動ではなく、買取可否や買取額の判断に反映されることもあります。審査の判断材料と、料率の決定方法は必ずしも同じではありません

4. ファクタリング手数料を抑えるための5つの方法

手数料を抑えるには、値下げを求める前の準備が大切です。

比較する条件をそろえ、取引内容を説明できる状態にすると、提示された見積もりについて具体的に相談できます。ここでは、申し込みから契約までに取り組める5つの方法を紹介します。

4-1. 同じ債権・希望入金日で複数社の見積もりを取る

まずは、対応条件が合う2〜3社を目安に見積もりを依頼しましょう。

その際、各社へ伝える内容をそろえます。比較に必要なのは、次の情報です。

  • 売却を検討している請求書と債権額
  • 売掛金の支払期日
  • 資金が必要な日と必要額
  • 希望する契約方式

一方には即日入金、もう一方には翌週の入金を依頼していると、同じ条件での比較になりません。手数料だけでなく、希望する期限までに資金を受け取れる見込みも確認します。

他社の条件を基に相談するなら、「同じ請求書で、希望入金日も同じ条件の見積もりがあります。今回の費用を見直せる余地はありますか」と伝えると具体的です。

なお、複数社への見積もり依頼と、同じ債権を複数社へ売却することは別です。 比較後は売却先を決め、ほかの会社で同じ債権の契約を進めないよう管理してください。

4-2. 支払実績が安定し、期日が近い債権を検討する

売却できる債権が複数ある場合は、候補を整理して相談します。

売掛先ごとに、債権額・支払期日・過去の入金状況を一覧にすると比較しやすくなります。支払実績が安定している債権や、期日までの期間が短い債権について、条件を確認する方法です。

ただし、料率を下げたいからといって、必要以上に大きな債権を売却するのは慎重に考えたいところです。率が下がっても、支払う手数料の金額が増える場合があります。

また、期日が近づくまで待った結果、自社の支払いに間に合わなくなっては目的を果たせません。

「安く売却できる債権」だけでなく、「必要な時期に、必要額を確保できる債権」を選びましょう

4-3. 取引を裏づける資料をそろえ、条件の相談をする

請求額や支払条件に説明が必要な箇所があれば、資料を添えて提出します。契約書より請求額が増えているなら追加発注の資料を、入金名義が売掛先名と異なるならその理由を示しましょう。

資料がそろえば、追加確認による時間のロスを減らせます。見積もり後に資料を追加する場合は、条件を再検討できるかも相談してください。

ただし、資料の追加による値下げは保証されません。料率が一律の場合もあるため、料金体系に合わせて相談を進めます。

4-4. 売掛先の協力が得られるなら3社間を検討する

売掛先へ説明できる状況なら、3社間の見積もりも選択肢になります。

進める際は、まずファクタリング会社に、売掛先側で必要となる手続きや書類を確認します。そのうえで、売掛先の担当者へ、債権譲渡への対応可否や社内承認に必要な期間を相談する流れです。

担当者が了承しても、経理部門の確認や支払先変更の手続きに時間がかかる場合があります。協力を得られることと、希望日までに契約できることは分けて考えましょう。

継続取引に関わる手続きでもあるため、急な承諾を求めるより、必要な対応を整理して伝える方が調整しやすくなります。

4-5. オンラインサービスや乗り換え条件を比較する

現在利用している会社だけでなく、オンラインで手続きが完結するサービスも比較対象に加えます。

訪問や郵送が不要になれば、契約にかかる移動費や作業時間を減らせます。手数料に諸経費を含むサービスもあるため、提示料率と別途負担する費用の範囲を確認してください。

オンライン型でも安いとは限らないため、現在の契約と総費用で比較しましょう。

乗り換え割引などが案内されている場合は、次の点を確かめます。

  • 自社が対象となるか、適用条件を満たせるか
  • 初回だけか、次回以降も適用されるか
  • 割引後の総費用はいくらか

5. 高額な手数料や不透明な契約を避ける確認ポイント

費用に納得できても、契約内容の確認は欠かせません。

特に注意したいのは、説明されていない負担や、売掛先が支払わなかった場合の取り扱いです。どのような条件で資金を受け取るのかを確かめましょう。

5-1. 手数料の高さだけで違法性を決めつけない

相場より高い手数料が提示されたからといって、その数字だけで違法とは断定できません。一方、相場の範囲内であれば問題がないとも言い切れないところです。

金融庁は、ファクタリングを装った貸付けに注意を呼びかけています。契約書の名称が「債権譲渡契約」であっても、実態が貸付けに当たる場合は、貸金業法などの規制が問題になります。

費用が自社にとって重いかという判断と、取引に法的な問題がないかという判断は、分けて考える必要があります。

5-2. 見積もりと契約書の内容が一致しているか

契約前には、見積もりで説明された内容が契約書にも反映されているかを照合します。

手数料以外の費用が加わっている、入金額が変わっている、別の有料サービスへの加入が条件になっている場合は、その理由を確認してください。

例えば、「事務手数料は不要」と説明されていたのに、契約書では別途請求できる内容になっていれば、口頭の説明だけで進めないことが大切です。適用される条件を明確にし、必要に応じて書面を修正してもらいます。

また、保証金などの名目で入金前の送金を求められた場合も、目的・返還条件・契約上の根拠を確認するまでは支払わないようにしましょう。

「先に署名すれば詳しく説明する」「契約書は後で渡す」といった対応では、十分な判断ができません。契約書や約款は、同意する前に全文を確認できる状態で受け取ります。

5-3. 売掛先が支払わなかった場合、誰が負担する契約か

売掛先の不払い時に、利用者へどのような支払いが求められるかは重要な確認事項です。

金融庁は、利用者が売掛金を回収できなかった場合に、債権の買戻しや自己資金での支払いを求める取引について、貸金業に該当するおそれがあると説明しています。「ノンリコース」と記載されていても、実態を含めて判断されます。

契約書では、次のような質問に答えられるかを確かめてください。

「取引内容に問題がなく、売掛先の倒産で入金されなかった場合でも、自社が支払う義務はありますか。」

あわせて、利用者の虚偽申告や契約違反に関する責任とは区別して読みます。不払いに関する条項だけでなく、表明保証・損害賠償・解除などの条項を通じて、広い負担が課されていないかも確認が必要です。

説明を受けても負担の範囲が分からない場合は、契約前に弁護士へ確認する方がよいでしょう。

5-4. 手数料を抑えても、利用が向いていないケース

ファクタリングには、入金を前倒しできても、事業の赤字そのものを解消することはできないという限界があります。

次のような状況では、料率の交渉だけでなく、資金調達方法や事業収支の見直しを優先したいところです。

状況利用を慎重に考えたい理由
毎月の赤字を補うために利用を繰り返している資金不足の原因が残り、手数料負担も積み重なるため
費用を差し引くと必要額に届かない契約しても、予定している支払いを完了できないため
長期間使う設備資金などを賄いたい将来の売掛金を前倒しする方法では、資金回収までの長い期間を支えにくいため
入金後の資金計画が成り立たない目先の支払いを終えても、次の支払日に再び不足するため

こうした状況では、原価・固定費や取引条件の見直し、金融機関への相談などを進め、資金不足の原因に対応する必要があります。

5-5. 契約直前に確認するチェックリスト

署名や電子契約への同意をする前に、次の項目を確認します。

  • 総費用・最終受取額・別払いの費用が確定している
  • 希望する入金日と、入金に必要な条件を確認できている
  • 見積もり、契約書、担当者の説明に食い違いがない
  • 売掛先への通知条件と、不払い時の負担を理解している
  • 契約書・約款を全文確認し、保存できる
  • 利用後の支払計画が成り立っている

不明点が残る場合は、その箇所の説明を求めましょう。回答が得られなければ、契約を見送る判断も必要です。

契約内容に関する疑問は弁護士へ、一般的な相談は金融庁の金融サービス利用者相談室へ相談できます。脅迫的な取り立てなどの被害がある場合は、契約書やメッセージ、振込記録を残し、警察へ相談してください。

6. ファクタリング手数料に関するよくある質問とまとめ

最後に、税務・会計上の扱いや支払方法など、本文で扱っていない疑問を整理します。

ファクタリング手数料に消費税はかかりますか?

売掛債権の額面と買取代金との差額に当たる手数料は、原則として消費税がかかりません

国税庁は、金銭債権を買い取った際の債権額と買取金額との差額について、非課税と説明しています。

ただし、別途提供される事務サービスなどの対価には、消費税がかかる場合があります。登記関連費用も、司法書士の報酬と登録免許税では扱いが異なるため、一括りにできません。

見積もりに消費税が記載されていたら、何の費用に対する税額なのかを確認しましょう。「ファクタリングに関する費用はすべて非課税」と判断しないことが大切です。

手数料はどの勘定科目で処理しますか?

債権の売却によって生じた差額は、「売上債権売却損」などの勘定科目で処理します。

会計ソフトや自社の会計方針によっては、「売上債権譲渡損」などの名称を使う場合もあります。別途発生する振込手数料や登記関連費用は、債権の売却差額と分けて整理してください。

また、売却代金を受け取った際に、同じ取引の売上を再び計上しないよう注意が必要です。すでに計上した売掛金を資金化する取引であり、新たな売上が発生するわけではありません。

契約日と入金日が異なる場合や、2社間で回収金を預かる場合は仕訳のタイミングも関係します。契約書・精算明細・入出金記録をそろえ、具体的な処理は税理士などに確認すると整理しやすくなります。

即日入金を希望すると手数料は高くなりますか?

即日対応という理由だけで、必ず高くなるわけではありません。

通常の料金体系で対応するサービスもあります。追加料金の有無と、当日入金に必要な書類提出・契約の締切を確認してください。

手数料の分割払いや後払いはできますか?

A. 買取代金から差し引く方式では、通常、手数料だけを分割して支払う仕組みにはなっていません。後払いなどに対応するかは、契約によります。

なお、手数料の精算と、2社間で回収した売掛金の送金は別です。回収金の送金を、利用者の判断で分割や後払いに変更することはできません。

まとめ|手数料を払って何を解決できるかで判断する

ファクタリング手数料は、相場を知ったうえで、総費用と最終受取額を確認することが基本です。ただし、安い条件を見つけることだけが目的ではありません。

必要な支払いに間に合うか。費用を負担しても利益が残るか。利用後の資金繰りが成り立つか。この3点を確認して、今回の資金化に意味があるかを判断します。

まずは、資金が不足する日と金額を資金繰り表に書き込み、見積もりの受取額を当てはめてみてください。契約するかどうかは、その後の支払いまで見通せてから決めましょう。

この記事の著者

中村陽介

中村陽介(資金調達マップ編集部)

資金調達や売掛債権の活用法など、経営者が抱える資金課題をテーマに編集・執筆を担当。元ファクタリング会社に勤務していた経験を活かし、ファクタリングの仕組みや活用ポイントについて、実務的な視点から分かりやすく伝えることを重視している。

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