今年の夏も、電気代とガス代が自動的に安くなることが決まりました。
標準的な家庭で3ヶ月合計約5,000円の負担軽減。これは昨年夏(2025年)より手厚くなっており、電気代が気になってエアコンを我慢しがちな方にとって、今年の夏は少し気持ちが楽になる制度です。
この記事では「月ごとにいくら安くなるか」「自分は対象か」「いつ請求書に反映されるか」を順番に整理します。
30秒要約
- 2026年7〜9月の電気・ガス料金が自動的に値引きされる
- 申請不要・手続き一切なし・所得制限なし
- 標準的な家庭で3ヶ月合計約5,000円の負担軽減見込み
- 8月が最も補助が厚い(電気1kWhあたり4.5円)
- 都市ガスも対象・LPガス(プロパン)は自治体経由の別途支援あり
- 財源は2026年度予備費5,135億円・5月26日に閣議決定済み
この補助金の仕組み
この制度は、電力会社・ガス会社が国に申請する仕組みになっています。
まず政府が「この期間、電気・ガス代を値引きする」という方針を決定します。次に全国の電力会社・ガス会社が経済産業大臣に申請し、審査・認可を受けます。認可を受けた事業者は、毎月の料金計算の時点から補助額を差し引いて請求書を作成します。その結果、手元に届く請求書はすでに値引き後の金額になっています。
補助金が「後から振り込まれる」のではなく、「最初から安くなっている」状態です。特別な口座や手続きは必要ありません。
2025年夏の支援でも同じ仕組みが使われており、大手電力10社・大手ガス事業者が経済産業省の特例認可・承認を経て実施されました。新電力やガス新規小売についても、同事業に参加している事業者であれば同様に値引きが適用されます。
ひとつだけ注意しておきたいのは、詐欺への警戒です。「補助金の手続きが必要です」「口座番号を教えてください」といった連絡が届いても、それは詐欺の可能性があります。この制度で個人に連絡が届くことはありません。
いくら安くなる?補助単価・使用量別シミュレーション・2025年夏との比較
2026年夏の補助単価(月別)
2026年5月26日の閣議決定および赤沢経済産業相の会見により、補助単価が正式に決まりました。
| 使用月 | 電気(低圧:一般家庭) | 都市ガス |
|---|---|---|
| 7月使用分 | 3.5円/kWh | 14円/㎥ |
| 8月使用分 | 4.5円/kWh | 18円/㎥ |
| 9月使用分 | 3.5円/kWh | 14円/㎥ |
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※出典:赤沢経済産業相 2026年5月26日閣議後記者会見。
8月の補助単価が最も高いのは、猛暑でエアコンの使用量が最もピークになる時期だからです。政府は毎年この時期に合わせて補助を手厚く設定しています。
高圧(工場・施設等)の補助単価は低圧より低く設定されます。
電気の使用量別シミュレーション
| 世帯の目安 | 月の使用量 | 7月・9月の値引き額 | 8月の値引き額 | 3ヶ月合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1人暮らし | 200kWh | 700円 | 900円 | 2,300円 |
| 2〜3人家族 | 350kWh | 1,225円 | 1,575円 | 4,025円 |
| 標準的な家庭 | 400kWh | 1,400円 | 1,800円 | 4,600円 |
| 4人家族・猛暑 | 500kWh | 1,750円 | 2,250円 | 5,750円 |
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※消費税込みの概算です。実際の値引き額は契約プランや検針タイミングにより異なります。
一般的な6畳用エアコンを1日8時間使った場合、1ヶ月の消費電力はおおよそ60〜80kWh程度です。月400kWhの家庭なら、8月だけで1,800円の値引きになります。エアコンを1台分フル稼働させてもほぼ補助でまかなえる計算になるため、「我慢しないで使える夏」が今年は少し現実的になっています。
都市ガスの使用量別シミュレーション
| 月の使用量 | 7月・9月の値引き額 | 8月の値引き額 | 3ヶ月合計 |
|---|---|---|---|
| 10㎥(少なめ) | 140円 | 180円 | 460円 |
| 20㎥(標準) | 280円 | 360円 | 920円 |
| 30㎥(多め) | 420円 | 540円 | 1,380円 |
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※夏場はガス使用量が少ない傾向があるため、都市ガスの補助効果は電気ほど大きくありません。給湯・調理中心の利用が目安です。
昨年夏(2025年)より手厚くなっている
2025年夏の補助単価(資源エネルギー庁の公式発表より)と比較すると、今年は電気・ガスともに大幅に上乗せされています。
| 種別・使用月 | 2025年夏(実績) | 2026年夏(今回) | 差額 |
|---|---|---|---|
| 電気・7月9月使用分 | 2.0円/kWh | 3.5円/kWh | +1.5円 |
| 電気・8月使用分 | 2.4円/kWh | 4.5円/kWh | +2.1円 |
| 都市ガス・7月9月使用分 | 8円/㎥ | 14円/㎥ | +6円 |
| 都市ガス・8月使用分 | 10円/㎥ | 18円/㎥ | +8円 |
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都市ガスは電気以上に昨年比での上乗せ幅が大きく、7・9月は+6円、8月は+8円となっています。中東情勢の影響で原油・天然ガス価格の先行きが不透明な中、政府が昨年より手厚い補助を設定した背景があります。
請求書にはいつ反映される?
電気・ガスの料金は一般的に「使った月の翌月〜翌々月」に請求されます。
| 使用月 | 請求書への反映時期の目安 |
|---|---|
| 7月使用分 | 8月検針・請求分 |
| 8月使用分 | 9月検針・請求分 |
| 9月使用分 | 10月検針・請求分 |
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「7月の請求書が来たのにまだ安くなっていない」と感じても、それは6月使用分の請求書であることがほとんどです。8月に届く請求書(7月使用分)から値引きを確認できます。明細に「料金値引き」や「支援値引き」などの項目が表示されていれば、その金額が補助による値引き分です。
対象は誰?確認が必要なケース
所得制限なし・申請不要で、ほとんどの家庭が自動的に対象です。ただし、一部のケースでは確認が必要です。
自動的に対象になる方
自分の名義で電力会社・ガス会社と契約している方は、基本的に全員対象です。持ち家・賃貸・一戸建て・マンション・アパートといった住居の形態は関係ありません。高圧契約の中小企業・事業者も対象に含まれます(補助単価は低圧より低く設定されます)。
確認が必要なケース
電気代・ガス代が家賃に含まれている場合、電力会社・ガス会社と直接契約しているのが大家さんや管理会社のため、値引きが自動的にテナント側に還元されない可能性があります。実際に安くなっているかどうかは、大家さんや管理会社に確認してみましょう。
LPガス(プロパンガス)をご利用の方は、今回の都市ガス補助の対象外です。LPガスは都市ガスと供給インフラが異なり、国の電気・ガス料金支援の枠組みには含まれていません。ただし、政府は「重点支援地方交付金」として約1,000億円を自治体に配布しており、各自治体がLPガス利用者への支援を実施できる仕組みになっています。お住まいの自治体の公式サイトで確認してみてください。
新電力・ガス新規小売をご利用の方は、その事業者が今回の支援に参加しているかどうかによって異なります。大手電力10社はすべて対象ですが、新電力については事業者ごとに参加・不参加が異なるため、契約中の会社の公式サイトや問い合わせ窓口で確認するのが確実です。
よくある質問(FAQ)
Q. 太陽光発電を設置している家庭も値引き対象になりますか?
A. 電力会社との低圧契約が残っていれば、売電の有無に関わらず値引きの対象になります。ただし完全自家消費で電力会社との契約を解約している場合は対象外となります。
Q. オール電化住宅の場合、電気代の値引き額は大きくなりますか?
A. 補助単価自体はオール電化かどうかで変わりません。ただしオール電化住宅は給湯・調理も電気でまかなうため使用量が多くなりやすく、結果的に値引き総額は大きくなる傾向があります。月500kWh以上の家庭では、3ヶ月合計で6,000円を超えるケースもあります。
Q. 今後、秋冬にも同様の補助が実施される可能性はありますか?
A. 2026年5月27日時点では7〜9月使用分のみ決定しており、10月以降は未定です。政府は補正予算案に「中東情勢等対応予備費」として約2兆5,000億円を積む方針も示しており、エネルギー価格の動向次第では秋以降の延長・再開の可能性もあります。最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトで確認してください。
まとめ
今回の電気・ガス補助金を3点で整理します。
「申請不要・手続き不要」で、普段通りに電気・ガスを使っているだけで自動的に値引きされます。7〜9月の3ヶ月間、電気は1kWhあたり3.5〜4.5円、都市ガスは1㎥あたり14〜18円(いずれも8月が最も手厚い)の値引きが適用され、標準的な家庭で合計約5,000円の負担軽減が見込まれます。昨年夏より補助が手厚く、電気は1〜2円/kWh、都市ガスは6〜8円/㎥上乗せされています。
今日からできることは2つです。まず、契約中の電力会社・ガス会社が今回の支援に参加しているかを確認してください。特に新電力・ガス新規小売をご利用の方は事業者の公式サイトで確認を。次に、8月に届く請求書(7月使用分)を見て、値引きが反映されているかを確認してみましょう。
※本記事は2026年5月27日時点の政府発表・公式資料をもとに作成しています。都市ガスの補助単価など一部詳細は今後更新される場合があります。最新情報は資源エネルギー庁の公式サイトでご確認ください。
参考リンク
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