デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠の申請体験談|3店舗を営むパン屋がPOSレジと会計ソフト導入を目指した事例

3店舗を営むパン屋にとって、毎日の売上管理や請求書作成は、想像以上に手間のかかる作業です。店舗ごとにレジの売上を確認し、月末に数字をまとめ、法人向けの請求書も作成するとなると、本来のパンづくりや店舗運営に使える時間が少なくなってしまいます。

株式会社Dの代表であるKさんも、まさにそのような悩みを抱えていました。インボイス制度への対応が必要になる中で、請求書の記載内容を毎回確認したり、店舗ごとの売上をExcelで集計したりする作業に負担を感じるようになっていたのです。

そこでKさんが検討したのが、デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠の活用でした。POSレジと会計ソフトを導入できれば、売上管理や請求書作成の負担を減らせるのではないかと考えたからです。

ただ、実際に申請準備を進めてみると、対象となるツールの確認や必要書類の整理、現在の業務課題の見直しなど、思っていた以上に手続きが多いことに気づきました。

この記事では、3店舗を営むパン屋が、POSレジと会計ソフトの導入を目指して補助金申請に取り組んだ体験談を紹介します。採択結果や導入後の変化については今後の続編で触れる予定ですが、今回はまず、申請準備の中で感じた大変さや気づきを中心にお伝えします。

デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠の申請体験談|3店舗を営むパン屋がPOSレジと会計ソフト導入を目指した事例

3店舗分の売上管理とインボイス対応に悩んでいた

株式会社Dは、神奈川県内で3店舗のパン屋を営む会社です。駅前の店舗、住宅街にある店舗、商業施設内の店舗と、それぞれ立地や客層が異なり、売れ筋の商品にも違いがありました。

代表のKさんは、パン職人として現場に立ちながら、仕入れやスタッフ管理、売上確認、請求書作成なども担当していました。お店が1店舗だけだった頃は、日々の売上や経理まわりの確認も、何とか自分で対応できていたといいます。

しかし、店舗が3店舗に増えると、管理する数字も一気に多くなりました。毎日の売上は各店舗で確認していましたが、月末になると、Kさんがそれぞれの店舗のデータを見直し、Excelにまとめ直す作業が必要でした。

特に負担になっていたのが、店舗ごとの売上管理と、法人向けの請求書作成です。株式会社Dでは、店頭販売だけでなく、近隣のカフェや会社からパンの注文を受けることもありました。そのため、納品書や請求書を作成する機会も少しずつ増えていたのです。

インボイス制度への対応が必要になってからは、請求書に記載する内容にも、より注意が必要になりました。登録番号、税率ごとの金額、消費税額などを確認しながら作成する必要があり、以前よりも確認作業に時間がかかるようになりました。

もちろん、Excelや手作業でも対応できないわけではありません。ただ、店舗の営業を続けながら、毎月の集計や請求書作成を正確に行うのは、Kさんにとって大きな負担になっていました。

「このまま店舗が忙しくなったら、今のやり方ではどこかで限界が来るかもしれない」

そう感じるようになったことが、KさんがPOSレジや会計ソフトの導入を考えるきっかけになりました。

POSレジと会計ソフトを入れたいが、費用面が不安だった

売上管理や請求書作成の負担を感じるようになったKさんは、まず税理士に相談しました。

これまでは、各店舗の売上を月末にまとめ、必要な数字をExcelで整理してから税理士へ共有していました。しかし、店舗ごとに確認する資料が分かれていたため、数字の確認に時間がかかることもありました。

税理士からは、POSレジと会計ソフトを連携できれば、店舗ごとの売上を確認しやすくなり、経理処理の負担も減らせる可能性があると説明を受けました。また、インボイス対応の請求書発行システムを使えば、法人向けの請求書作成も今よりスムーズになるとのことでした。

Kさん自身も、以前から「そろそろレジや会計まわりを見直した方がいいのではないか」と感じていました。

たとえば、店舗ごとの売上をリアルタイムで確認できれば、どの商品がどの店舗で売れているのかを把握しやすくなります。売れ筋商品がわかれば、仕込み量の調整や新商品の企画にも活かせます。

また、請求書作成や会計入力の手間が減れば、営業後に事務作業へ追われる時間も少なくなります。Kさんにとって、POSレジや会計ソフトの導入は、単なる経理の効率化だけでなく、店舗運営全体を見直すためのきっかけにもなると感じられました。

ただし、問題は費用でした。

1店舗だけであればまだしも、株式会社Dは3店舗を運営しています。POSレジを導入するとなると、レジ端末やタブレット、周辺機器、会計ソフト、請求書発行システム、初期設定費用などが必要になります。

さらに、導入後にはスタッフへの操作説明も必要です。日々の営業に支障が出ないようにするためには、単に機器を入れるだけではなく、現場で無理なく使える状態に整えなければなりません。

「便利になるのはわかるけれど、3店舗分を一度に見直すとなると、費用面の負担が大きい」

Kさんはそう感じ、すぐには導入に踏み切れませんでした。

そんなときに知ったのが、デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠でした。インボイス対応を目的としたITツールの導入に活用できる可能性があると知り、KさんはPOSレジと会計ソフトの導入費用を抑えられないか、本格的に調べ始めることにしました。

申請準備では、思った以上に整理することが多かった

デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠を活用できる可能性があると知ったKさんは、POSレジと会計ソフトの導入に向けて、具体的に申請準備を進めることにしました。

最初は、補助金を使えば必要な機器やソフトを選んで申し込むだけだと思っていました。しかし、実際に調べてみると、思っていたよりも確認することが多いことに気づきます。

まず必要だったのは、導入したいPOSレジや会計ソフトが、補助金の対象になるかどうかを確認することでした。どのITツールでも自由に選べるわけではなく、補助金の対象として登録されているものか、インボイス対応に必要な機能を備えているかを確認する必要がありました。

また、3店舗分の導入を考えていたため、レジ端末やタブレットなどの台数、店舗ごとの運用方法、会計ソフトとの連携方法も整理しなければなりませんでした。

たとえば、各店舗で売上をどのように入力するのか、誰が日々の確認を行うのか、月末にどのデータを税理士へ共有するのか。これまで何となく続けていた作業を、一つひとつ見直す必要がありました。

さらに大変だったのが、申請内容として「なぜ導入が必要なのか」を言葉にすることです。

Kさんとしては、売上管理や請求書作成が大変だから、POSレジと会計ソフトを入れたいという気持ちでした。ただ、申請準備ではそれだけでは不十分でした。

現在どのような課題があるのか、導入によってどの作業を改善したいのか、インボイス対応としてどのように役立つのかを整理する必要がありました。

特に、日々の営業を続けながら申請準備を進めるのは簡単ではありません。朝は仕込み、昼は店舗の確認、夕方以降は売上や発注の確認があり、まとまった時間を取ることが難しかったといいます。

そのためKさんは、税理士や導入を相談している事業者とやり取りをしながら、必要な情報を少しずつ整理していきました。

申請準備を進める中で、Kさんは「補助金は、ただ申し込めば使えるものではない」と実感します。対象となるツールを確認し、自社の課題を整理し、導入後の使い方まで考える必要があるからです。

大変ではありましたが、この作業を通じて、株式会社Dがどこで時間を取られているのか、どの業務を優先して見直すべきなのかが、少しずつ明確になっていきました。

申請を通じて、自社の業務を見直すきっかけになった

申請準備を進める中で、Kさんはあらためて自社の業務の流れを見直すことになりました。

それまでは、各店舗で日々の売上を確認し、月末にまとめてExcelへ入力するという流れが当たり前になっていました。法人向けの請求書も、必要なタイミングで都度作成しており、忙しい時期には後回しになってしまうこともありました。

しかし、補助金の申請に向けて「どの業務に時間がかかっているのか」「どこでミスが起きやすいのか」を整理していくと、これまで見過ごしていた課題が少しずつ見えてきました。

たとえば、店舗ごとの売上確認はできていても、全店舗の売上をまとめて比較するには手間がかかっていました。どの商品がどの店舗で売れているのか、曜日や時間帯によって売上にどのような違いがあるのかも、すぐには把握できない状態でした。

また、請求書作成についても、インボイス制度に対応した記載内容を毎回確認する必要があり、慣れている作業であっても気を使う場面が増えていました。特に、軽減税率が関係する商品を扱っているため、税率ごとの確認は慎重に行う必要がありました。

Kさんは、POSレジと会計ソフトを導入することで、単に事務作業を減らすだけでなく、店舗ごとの売上を見える化し、経営判断にも活かせるのではないかと考えるようになります。

申請準備は、正直に言えば簡単ではありませんでした。対象ツールの確認、必要書類の準備、導入後の運用イメージの整理など、営業を続けながら進めるには負担もありました。

それでもKさんにとっては、今回の申請準備を通じて、自社の課題を整理できたことが大きな収穫でした。

「レジを新しくしたい」というだけではなく、なぜ今の管理方法に限界を感じているのか、導入後にどの作業を減らしたいのか、どのように店舗運営を改善したいのかを考えるきっかけになったからです。

採択結果や実際の導入については、まだこれからの段階です。

ただ、Kさんは今回の申請準備を通じて、インボイス対応をきっかけに経理や売上管理を見直すことの大切さを実感しました。補助金の申請は大変な面もありますが、日々の業務を整理し、今後の店舗運営を考える良い機会にもなったのです。

まとめ|補助金申請は大変でも、業務を見直すきっかけになる

まとめ|補助金申請は大変でも、業務を見直すきっかけになる

今回ご紹介した株式会社Dの体験談は、3店舗を営むパン屋が、POSレジと会計ソフトの導入を目指して、デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠の申請準備に取り組んだ事例です。

株式会社Dでは、店舗ごとの売上管理や法人向けの請求書作成を、これまでExcelや手作業で対応していました。1店舗だけであれば何とか対応できていた作業も、3店舗になると確認する数字や書類が増え、代表のKさんにとって大きな負担になっていました。

特にインボイス制度への対応では、登録番号や税率ごとの金額、消費税額などを確認しながら請求書を作成する必要がありました。日々の営業を続けながら正確に対応するには、これまでのやり方だけでは限界を感じる場面も増えていたのです。

そこでKさんは、POSレジと会計ソフトを導入し、店舗ごとの売上管理や請求書作成を効率化できないかと考えるようになりました。ただ、3店舗分の機器やソフトを導入するには費用面の不安もあり、補助金の活用を検討することになります。

実際に申請準備を進めてみると、対象ツールの確認、必要書類の整理、自社の課題の洗い出しなど、想像以上に手続きが多いことがわかりました。補助金は、単に「新しいレジを入れたい」というだけで進められるものではなく、なぜ導入が必要なのか、導入後にどの業務を改善したいのかを整理する必要があります。

一方で、その準備を通じて、株式会社Dでは自社の業務を見直すきっかけにもなりました。店舗ごとの売上確認、月末の集計作業、請求書作成の流れを改めて整理することで、どこに負担がかかっているのかが明確になったからです。

採択結果や導入後の変化については、今後あらためて紹介する予定です。しかし、今回の申請準備だけでも、Kさんにとっては大きな気づきがありました。

デジタル化・AI導入補助金 インボイス枠は、インボイス対応のためだけでなく、売上管理や経理業務を見直すきっかけにもなります。申請には手間がかかりますが、複数店舗の管理や請求書作成に悩んでいる事業者にとって、自社の業務改善を考える良い機会になるでしょう。

この記事の著者

mcnconety_m0wmxqtz

mcnconety_m0wmxqtz(資金調達マップ編集部)

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