公金受取口座とは?登録方法・対象給付金・よくある疑問をわかりやすく解説

給付金の案内が来たのに、口座情報の記入や通帳の写しの準備が面倒だった……そんな経験はありませんか?

給付金を受け取るたびに、同じ口座番号を書いて、通帳をコピーして、添付して――。「公金受取口座」をあらかじめ登録しておくと、次回以降の給付手続きでこうした作業を省けるようになります。

この記事では、公金受取口座の仕組みや登録方法、よくある疑問まで、公式情報をもとにわかりやすくご説明します。

30秒要約

  • 公金受取口座は、給付金等の受取手続きをスムーズにするための口座登録制度です。
  • 登録しても自動で給付金が振り込まれるわけではなく、申請時の口座情報入力や通帳写しの提出を省きやすくする仕組みです。
  • 児童手当・所得税の還付金など、160種類以上の給付金等で利用できます。
  • 登録は任意・無料で、マイナポータルや金融機関窓口などから手続きできます。

公金受取口座とは?

公金受取口座とは

「公金受取口座」とは、給付金等を受け取るための銀行口座を、あらかじめ国(デジタル庁)に登録しておける制度です。正式には「公的給付支給等口座」といいます。

デジタル庁の公式説明によれば、「登録しておくと、給付金等の受取手続きの際に、申請書への口座情報の記載や通帳の写し等の添付、行政機関における口座情報の確認作業等が不要となり、スムーズに給付金等を受け取ることができます」とされています。

つまり、一度登録すれば、今後の給付のたびに「また同じ口座番号を書く」「また通帳をコピーする」という手間が省きやすくなる制度です。行政側でも確認作業が省かれるため、給付がよりスムーズに行われるメリットもあります。

ひとつ大切なポイントとして、「登録したら自動的に給付金が振り込まれる」というわけではありません。給付金の申請時に公金受取口座の利用を申し出ることで初めて活用されます(給付金の種類によっては、行政側が確認の上で振り込みが行われる場合もあります)。この点は誤解が多い部分なので、正しく理解しておきましょう。

登録は任意・無料です。強制ではないので、登録したくなければしなくても構いません。

普通の銀行口座と何が違うの?

公金受取口座は、あなたが普段使っている銀行口座そのものです。「新しく口座を開設する」のではなく、「既存の口座を国に登録する」制度です。

ただし、いくつかの条件があります。

登録できる口座の条件(デジタル庁公式より)

  • 1人につき1口座のみ(複数口座の登録は不可)
  • 本人名義の口座に限る(家族名義の口座は不可)
  • 普通預金口座・当座預金口座・総合口座などが対象(貯蓄預金口座・積立定期預金口座・屋号入り口座などは不可)

登録できる金融機関について

どの銀行でも登録できるわけではなく、デジタル庁が公表している登録可能な金融機関一覧に記載された金融機関の口座が対象です。

よく使われる主な銀行は以下のとおり対応しています(2026年5月時点・デジタル庁公式一覧より)。

種類主な対応金融機関の例
メガバンクみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、りそな銀行
ゆうちょ銀行ゆうちょ銀行(記号・番号で登録)
ネット銀行楽天銀行、PayPay銀行、住信SBIネット銀行、auじぶん銀行、イオン銀行、ソニー銀行 など
地方銀行各都道府県の地方銀行(北海道銀行、七十七銀行、横浜銀行など全国対応)
その他信用金庫、信用組合、JAバンク、JFマリンバンクなど

※横にスクロールして確認できます >

通帳が発行されていないタイプの口座(ネット銀行など)も、一覧に含まれていれば登録できます。なお、登録可能な金融機関であっても、窓口での手続きを受け付けていない金融機関もあるため、窓口での登録を希望する場合は事前に確認が必要です。

どんな給付金で使える?対象は160種類以上

公金受取口座を利用できる給付金

公金受取口座は、緊急時の給付金だけでなく、さまざまな給付に幅広く対応しています。デジタル庁の公式情報によると、現在160種類以上の給付金等で利用できます。

主な対象給付の例を挙げると、次のとおりです。

カテゴリ具体例
子育て支援児童手当、子育て応援手当
物価高対策非課税世帯給付金、低所得世帯支援給付金
税の還付所得税の還付金
年金・社会保障年金生活者支援給付金
災害・緊急対応災害時の緊急給付金等

※横にスクロールして確認できます >

対象給付金の詳細は、デジタル庁の公式ページでご確認ください。

「次の給付金がいつ来るかわからない」からこそ、あらかじめ登録しておくことで、いざというときにスムーズに受け取れる体制が整います。

今後の新制度への備えにもなる

2027年度以降の導入が目標とされている給付付き税額控除(低所得者の負担を軽減するために、納めるべき税額を超えた控除分を現金で給付する制度)においても、公金受取口座の活用が想定されています。

今のうちに登録しておけば、新制度が始まったときにもスムーズに対応できる可能性があります。

👉 給付付き税額控除についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

登録方法は4つ|自分に合った方法を選ぼう

公金受取口座の登録方法

公金受取口座の登録は、デジタル庁の公式情報によると以下の4つの方法で行えます。

登録方法こんな人におすすめ所要時間の目安
マイナポータル(スマホ・PC)スマホやPCが使える人全般即日〜2開庁日程度
金融機関の窓口スマホ・PCが苦手な人数開庁日〜1週間程度
所得税の確定申告時還付申告や更正の請求を行う人e-Taxなら3開庁日程度
年金請求時年金請求手続きのついでに済ませたい人3〜4か月程度

※横にスクロールして確認できます >

急ぎの場合はマイナポータルからの手続きが最もスムーズです。

金融機関の窓口での登録について(2025年4月から追加)

2025年4月より、金融機関の窓口でも登録・変更・抹消の手続きができるようになりました。マイナンバーカードは必須ではなく、「マイナンバーが記載された住民票の写し」などでも手続きできます。ただし、すべての金融機関が窓口対応しているわけではないので、事前に確認することをおすすめします。詳細はデジタル庁の窓口手続きページをご覧ください。

スマホでの登録手順(マイナポータル)

スマホで公金受取口座を登録する手順

もっとも多くの方が利用する、スマホ(マイナポータルアプリ)での手順をご説明します。

事前に用意するもの

  1. マイナンバーカード(スマホで読み取ります)
  2. マイナンバーカードの暗証番号(4桁の数字)
  3. 登録したい銀行の口座情報(金融機関名・支店名・口座種別・口座番号)

登録ステップ

① マイナポータルアプリを開く

スマホにインストールされていない場合は、App StoreまたはGoogle Playから「マイナポータル」を検索してインストールしてください。

② 「おかね」→「公金受取口座」をタップ

ホーム画面の「おかね」エリア内にある「公金受取口座」をタップします。

③ マイナンバーカードを読み取る

画面の案内に従い、スマホの背面にマイナンバーカードを当てて読み取ります。暗証番号(4桁)の入力を求められます。

④ 口座情報を入力する

金融機関名・支店名・口座種別・口座番号を入力します。

ゆうちょ銀行の場合:通帳やキャッシュカードに記載されている「記号」(5桁)と「番号」(8桁)をそのまま入力してください。キャッシュカードのハイフン(-)の間の数字の扱いについてはマイナポータルFAQをご確認ください。

⑤ 完了・確認

登録が受け付けられると、マイナポータルの「お知らせ」に通知が届きます(通常、即日〜2開庁日程度)。登録内容の確認は、ホームの「おかね」→「公金受取口座」から行えます。

操作手順の詳細はマイナポータル操作マニュアル(口座情報の登録)でも確認できます。

よくある疑問Q&A

公金受取口座のよくある疑問

登録・手続き系

Q. 登録済みかどうか確認したい

マイナポータルのホーム画面「おかね」エリア内の「公金受取口座」欄をタップすると確認できます。なお、どの方法で登録した場合でも、最新の登録情報はマイナポータルからのみ確認できます。

Q. 口座を変更・解約した場合はどうすればいい?

マイナポータルまたは金融機関の窓口から、いつでも変更・抹消の手続きができます。登録口座を解約した場合は速やかに変更手続きを行いましょう。確定申告時や年金請求時に登録した場合も、変更・抹消はマイナポータルか金融機関で行います(税務署や年金事務所では変更・抹消できません)。

Q. 年金の受取口座と自動で連動する?

連動しません。公金受取口座を変更しても、年金の受取口座は自動で変更されません。年金の受取口座を変更したい場合は、別途、年金の受取口座変更手続きが必要です。(マイナポータルFAQより)

Q. スマホが対応していない場合は?

以下の方法で対応できます。(マイナポータルFAQより)

  • パソコン+ICカードリーダーでマイナポータルから手続き
  • ご家族の対応端末(パソコン・スマートフォン等)を使ってマイナポータルから手続き
  • お住まいの市区町村の窓口にある端末で手続き

子ども・家族系

Q. 子どもの公金受取口座は親が登録できる?

子ども本人名義の口座に限り、子どもの公金受取口座として登録できます。親名義の口座を「子どもの口座として」登録することはできません。

子どもがスマホを操作できない場合は、法定代理人(親など)が子ども本人のマイナンバーカードを使ってマイナポータルにログインし、手続きを行います。(デジタル庁・マイナポータル公式FAQより)

プライバシー・セキュリティ系

Q. 登録すると預金残高や取引履歴まで見られる?

見られません。デジタル庁が取得・提供を受けるのは、金融機関名・口座番号等の「公金受取口座の利用に必要な情報のみ」です。残高や入出金の履歴が国に把握されることはありません。(デジタル庁公式FAQ Q7より)

Q. 税金が勝手に引き落とされる?

引き落とされません。公金受取口座はあくまで「給付金を受け取るための口座」として登録するものです。登録したことで税金等が引き落とされることは一切ありません。(デジタル庁公式FAQ Q8より)

Q. マイナンバーやカードを盗まれたら預金が引き出される?

引き出されません。マイナンバーやマイナンバーカードだけで、口座から預貯金を引き出すことはできない仕組みになっています。万が一カードを紛失・盗難された場合は、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に連絡してカードの一時利用停止を依頼してください。

Q. 登録すると自分が持っているすべての口座がマイナンバーと紐づけされる?

なりません。公金受取口座は「登録した1口座だけ」がマイナンバーと紐づきます。他の口座には影響しません。

登録がうまくいかないとき

Q. 登録したのに「口座情報は未登録」と表示される

2つの原因が考えられます。(マイナポータルFAQより)

  • 登録処理が完了していない:マイナポータル画面下の「やること」タブで「処理中」と表示されている場合は、完了するまで少し待ちましょう。
  • 申請内容に不備があって却下された:「やること」タブで「却下」と表示されている場合は、「申請先からの連絡内容」を確認して、再度登録してください。

Q. 「口座情報に誤りがあります」と表示されて登録できない

口座の実在が確認できなかった場合に表示されます。以下の点を確認して再度入力してください。(マイナポータルFAQより)

  • 口座名義と同じ氏名を入力しているか
  • 氏名カタカナの大文字・小文字が正しいか(例:「ヤ」と「ャ」の区別)
  • 氏名カタカナの姓と名の間に全角スペースが入っているか(例:マイナ タロウ)
  • その他の口座情報(支店名・口座番号など)に誤りがないか

Q. 「本人名義の口座を入力してください」と表示される

これはエラーメッセージではなく、重要な注意書きとして常に表示される案内文です。本人名義の口座を入力していれば問題ないので、そのまま「確認する」ボタンを押して先に進んでください。(マイナポータルFAQより)

登録しないとどうなる?

公金受取口座を登録しない場合

登録しなくても、給付金が受け取れなくなるわけではありません。

ただし、デジタル庁の公式FAQによると、未登録の場合は「給付申請のたびに口座情報の記入・入力や通帳・キャッシュカードの写し等の添付書類の提出が必要」になります。

登録は無料・任意・いつでも変更・解除可能です。あらかじめ登録しておくことで、今後のあらゆる給付手続きをシンプルにできます。「備えとして登録しておく」というのがもっとも手軽な選択肢です。

まとめ

公金受取口座のまとめ

ここまで読んでいただいて、「思ったより難しくなさそう」と感じてもらえたなら嬉しいです。

一度登録しておけば、児童手当・物価高給付金・所得税還付金など160種類以上の給付で、毎回の口座情報の記入や通帳コピーの手間を省きやすくなります。登録しても、残高や取引履歴が国に見られることはなく、税金が勝手に引き落とされることもありません。

  • 公金受取口座は登録・変更・解除すべて無料・任意
  • 一度登録すれば、160種類以上の給付で口座情報の記入・書類の添付が省略しやすくなる
  • 登録しても「自動で給付される」わけではない(手続きがスムーズになる制度)
  • 残高・取引履歴は見られない。税金が引き落とされることもない
  • 登録はマイナポータルから進めやすい
  • メガバンク・ゆうちょ・ネット銀行など、主要な銀行は広く対応済み
  • 給付付き税額控除など今後の新制度への備えにもなる

また2027年目途に開始が予想されている給付付き税額控除は、まだ制度設計中の部分が多いものの、公金受取口座を使用することが予想されます。制度の詳細が決まってから慌てるよりも、今のうちに受取口座を登録しておく方が安心です。

登録後も口座を変えたくなれば変更できますし、やっぱりやめたいと思えば解除できます。まずはマイナポータルで登録状況を確認し、あわせて給付付き税額控除の最新情報も確認しておきましょう。

参考・出典

この記事の著者

高橋美咲

高橋美咲(資金調達マップ編集部)

助成金や補助金制度に関する情報をリサーチ・編集。制度の概要や申請時の注意点などを、わかりやすくまとめることを得意とし、事業者や個人に役立つ情報提供を目指している。

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