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「保育園に入れていないけど、子どもを少し預けてみたい」「在宅育児で孤立しそう、同じ年齢の子どもと触れ合わせてあげたい」そんな声に応えるために生まれた制度があります。
2026年4月から全国で本格スタートした「こども誰でも通園制度」は、仕事をしていない家庭でも、月最大10時間、保育施設を利用できる新しい仕組みです。この記事では、対象・料金・申し込み方法まで、公式情報をもとにわかりやすく解説します。
30秒でわかる要約
- こども誰でも通園制度は、保育所などに通っていないこどもが月一定時間まで通園できる制度です。
- 対象は、生後6か月から満3歳未満までの未就園のこどもです。
- 保護者が仕事をしているかどうかは問われません。
- 利用時間は原則月10時間までですが、自治体によって上乗せがあります。
- 利用料は1時間300円程度が標準で、給食費やおやつ代などの実費がかかる場合があります。
- 申し込みは、つうえんポータルや市区町村窓口などから行います。
- 利用前には、施設との事前面談や予約が必要です。
- 住民票がある自治体以外の施設を利用できる広域利用もあります。
こども誰でも通園制度とは
制度が生まれた背景
0〜2歳の子どもの約6割は、保育所や幼稚園などに通っていません。在宅で子育てをしている家庭の中には、相談できる人が周りにおらず、孤立感や不安を抱えながら日々育児をしているケースも少なくありません。
こうした現状を受け、国は「こども未来戦略」(2023年12月閣議決定)に基づき、「こども誰でも通園制度」を創設しました。2025年度に子ども・子育て支援法に基づく制度として位置づけられ、2026年4月から給付制度として全国すべての自治体で本格実施されています。
制度の財源は子ども・子育て支援金です。全世代・すべての企業から広く拠出いただく資金で、社会全体で子育てを支える仕組みです。
この制度の目的
この制度の目的は、就労の有無にかかわらず、すべての未就園のこどもの育ちを応援することです。
こどもにとっては、家族以外の人や同じ年齢の子どもたちと触れ合い、家庭だけでは得られない多様な体験を重ねることで、心身の成長につながります。保護者にとっては、保育士などの専門家と関わることで孤立感や不安が和らぎ、子育ての自信を取り戻すきっかけにもなります。
一時預かりとどう違うの?
一時預かりは「保護者が用事のある日に子どもを預ける」ための制度です。こども誰でも通園制度は「子どもの成長・育ち」の観点から、保育施設を定期的・継続的に利用することを目的としています。両者は目的が異なります。
なお、英語教室・スイミング・リトミックなど、習い事に類するサービスとしてこの制度を利用することは認められていません。あくまでも「こどもの育ち」を中心に置いた制度です。
対象となるこどもは?
対象の条件
以下のすべてに該当するこどもが対象です。
- 生後6か月〜満3歳未満(3歳の誕生日の前々日まで)
- 保育所・認定こども園・地域型保育事業・企業主導型保育施設を利用していない
「3歳の誕生日の前々日まで」ってどういう意味?
たとえば誕生日が4月1日の場合、3月30日まで利用できます。子ども・子育て支援制度では満3歳以上になると幼稚園や認定こども園の1号認定を受けられるため、この制度の対象外となります。
対象になる・ならないケースの整理
| 状況 | 対象 |
|---|---|
| 認可外保育施設に通っている | ✅ 対象 |
| 一時預かり事業を利用している | ✅ 対象 |
| 幼稚園のプレ保育を利用している | ✅ 対象 |
| 児童発達支援・療育に通っている | ✅ 要件を満たせば対象 |
| 企業主導型保育施設に通っている | ❌ 対象外 |
| 認可保育所・認定こども園に通っている | ❌ 対象外 |
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利用時間・料金
月何時間使える?
原則月10時間まで利用できます(子ども・子育て支援法上の上限)。1回あたり最低1時間から、30分単位で利用可能です。未使用分の翌月への繰り越しはできません。
経過措置について
2026・2027年度は、月10時間での実施が困難な市区町村は条例で3〜10時間未満の範囲で設定できます。お住まいの自治体の実施時間は、窓口またはつうえんポータルで確認しましょう。
自治体が独自に月10時間を超えて上乗せ実施することも認められており、住んでいる場所によって利用できる時間に大きな差が生まれています。
自治体による利用時間の上乗せ例
| 自治体 | 利用可能時間 | 備考 |
|---|---|---|
| 東京都渋谷区 | 最大月64時間 | 国の10時間+区独自の上乗せ。3歳誕生日前日以降は月54時間に変更。原則2か月以上の継続利用が前提 |
| 東京都羽村市 | 市内施設:月160時間/市外施設:月10時間 | 市内施設利用は無償化。市外施設は国の標準どおり |
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上乗せ状況について国としての一覧公表はなく、自治体によって大きく異なります。お住まいの市区町村窓口に確認してみてください。
料金はいくら?
利用料は1時間あたり300円程度が標準です(事業所が設定するため、施設によって異なる場合があります)。所得制限はありません。
給食・おやつなどの実費は利用料とは別途かかる場合があります。「1時間300円だけ」ではなく、実費も含めて事前に確認しておきましょう。
自治体別の料金例
| 自治体 | 利用料 | 実費の例 |
|---|---|---|
| 東京都渋谷区 | 都内在住者は無料 | 教材費等は施設が定める |
| 東京都羽村市 | 市内施設:無償/市外施設:施設による実費 | 施設による |
| 千葉県浦安市 | 1時間300円 | 給食1食200円・おやつ1食100円(公立施設の例) |
| 東京都杉並区 | 区内在住者は無料(実費は別途) | 給食代・おやつ代等 |
| 東京都稲城市 | 1時間300円 | 給食・おやつ等は別途 |
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※上記はあくまで一例です。同じ自治体でも施設によって料金が異なる場合があります。利用前に各施設へ確認してください。
低所得世帯向けの減免制度
自治体によっては、利用料の減免制度を設けています。
- 浦安市:生活保護世帯は300円、市町村民税非課税世帯・所得割合算額77,101円未満の世帯は200円を上限に減免(要申請)
- 稲城市:生活保護世帯は300円、市町村民税所得割額世帯合計77,101円未満等は200円を上限に減額・免除(要申請)
お住まいの自治体に減免制度があるかどうか、窓口に問い合わせてみてください。
どんな施設で使える?
実施が想定される主な施設は以下のとおりです。
保育所・認定こども園・小規模保育事業所・幼稚園・地域子育て支援拠点・家庭的保育事業所・企業主導型保育施設(一般型のみ)・認可外保育施設(一定基準を満たすもの)・児童発達支援センター等
施設ごとに受け入れ年齢・利用可能な曜日・時間枠・定員・空き状況が異なります。実施施設は市区町村が認可・確認を行います。
施設を選ぶ際の注意点
定員の空き枠を活用する「余裕活用型」の施設では、在園児のクラスが定員で埋まった場合に利用できなくなるケースがあります。また、施設によってはつうえんポータルに対応していないため、直接電話での問い合わせが必要な場合もあります(羽村市の案内より)。気に入った施設が見つかったら、空き状況と合わせて確認しておきましょう。
申し込みの流れ
利用開始まで1〜2週間かかることが多い
認定審査やアカウント発行に時間がかかるため、利用したい日の1〜2週間以上前には手続きを始めましょう。
| 自治体 | 目安 |
|---|---|
| 東京都杉並区 | アカウント発行まで2週間程度 |
| 東京都稲城市 | 認定審査に1〜2週間程度 |
| 東京都羽村市 | 申請翌営業日目安でアカウント発行(比較的早い) |
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自治体によって所要時間は異なります。余裕をもって手続きをしましょう。
ステップ1:利用登録(乳児等支援給付認定申請)
まず、お住まいの市区町村(住民票所在地)に申請します。
申請方法は以下のとおりです。
- つうえんポータルからオンラインで申請
- 各市区町村の窓口で申請
- マイナポータルから申請
認定後、登録したメールアドレスにログインIDが発行されます。認定証はシステム内で確認できます(郵送は不要)。
なお、2025年度にこの制度を利用したことがある方も、2026年度から給付制度に移行したため、改めて利用登録(認定申請)が必要です。
ステップ2:こどもの情報登録
つうえんポータルにログインし、アレルギー・病気・発育情報などをシステムに入力します。施設が安全にこどもを受け入れるための重要な情報です。
ステップ3:施設の検索・事前面談の申込み
ポータル上で利用したい施設を検索し、事前面談の空き状況を確認して申し込みます。施設によってはポータルに対応していないため、直接電話で問い合わせが必要な場合もあります。
ステップ4:事前面談(初回面談)
初めて利用する施設では、利用開始前に事前面談を行います。
面談は法令上の義務として定められているわけではありませんが、施設側がこどもを安全・安心に受け入れるために欠かせないプロセスです。緊急時の連絡先やアレルギー情報を施設が把握していなければ、いざというときに適切な対応ができません。そのため、多くの施設が面談を利用開始の前提としています。
面談は原則対面で行われます。里帰り出産など対面が難しい場合はオンラインでの対応も可能です。
面談で確認する主な内容
- 緊急連絡先・アレルギー情報
- 施設のルール・重要事項の説明
- キャンセルポリシーへの同意
- 緊急時・災害時の対応
もし面談を理由に利用開始が長く遅れたり、必要以上に何度も面談を求められたりする場合は、お住まいの自治体の担当窓口に相談してみてください。
広域利用:住んでいる自治体以外の施設も使える
2026年度からは、住民票のある自治体以外の施設も利用できます(広域利用)。自治体間の協定は不要です。
申請・認定はお住まいの市区町村に対して行い、他の市区町村の施設の予約はつうえんポータル上で行うことができます。
里帰り出産の場合も、申請はもとの住民票の市区町村(A市)に行い、帰郷先(B市)の施設を利用することができます。
広域利用の注意点
自分が住んでいる自治体が月10時間を超えて独自に上乗せしている部分は、他の市区町村の施設では適用されません。また、利用先の自治体が独自に行っている上乗せ助成も反映されず、国の法定給付部分のみが対象となります。
よくある疑問Q&A
Q. 一時預かりと同日に組み合わせて使える?
自治体がそれぞれの事業目的に合致すると判断する場合は、同日に両事業を利用することも可能です。一時預かり事業を実施している施設に事前に確認してみましょう。
Q. 月10時間を超えて利用したい場合は?
国の給付は月10時間が上限で、超えた部分は給付対象外となり実費負担になります。ただし渋谷区(最大64時間)・羽村市(市内施設は月160時間)など、自治体独自の上乗せがある場合はその範囲で利用できます。お住まいの自治体に確認してみてください。
Q. 複数の施設を掛け持ちで使える?
利用可能です。ただし月の利用時間の上限は施設ごとではなく通算で計算されます(稲城市の案内より)。また、施設ごとに利用契約と事前面談が必要です。
Q. キャンセルしたらどうなる?
前日までのキャンセルは利用料・利用時間の消費はありません。当日(午前0時以降)のキャンセルは、予約時間分が月の利用時間から減算されます。施設によってはキャンセル料も発生します(稲城市の例:1時間あたり300円)。キャンセルポリシーは施設によって異なるため、事前面談時に必ず確認しておきましょう。
Q. 障害のあるこども・医療的ケア児も利用できる?
対象です。障害のあるこどもや医療的ケア児を受け入れる施設には、国から加算がある仕組みになっています。ただし受け入れ体制は施設によって異なるため、事前面談時に確認してください。
Q. 認可外保育施設でも使える?
「認可外保育施設指導監督基準」を満たす施設であれば利用できます。基準を満たしていない施設は対象外です。
Q. 土日・夜間の利用はできる?
法令上は夜間の開所も妨げられていませんが、本制度は日中の利用を想定しており、いわゆるベビーホテルのような夜間預かりの運営は適切ではないとされています。土日の実施については施設・自治体によって異なりますので、ご利用を検討している施設に確認してください。
まとめ
こども誰でも通園制度について、要点を整理します。
- 対象:生後6か月〜3歳の誕生日前々日まで、未就園のこども
- 利用時間:月最大10時間(自治体によって大幅な上乗せあり)
- 料金:1時間300円程度が標準。無償化している自治体もあり。給食等の実費は別途
- 申し込み:つうえんポータルで登録→面談→予約の流れ。1〜2週間程度余裕を持って手続きを
- 広域利用可能:住民票がある自治体以外の施設も利用できる
「うちの子どもも使えるかな」と思ったら、まずはつうえんポータルで施設を検索してみてください。お住まいの市区町村窓口に相談するのもおすすめです。利用時間や料金は自治体によって大きく異なるので、窓口への問い合わせ一本で思わぬお得な制度が見つかることもあります。
保育園に入れていなくても、仕事をしていなくても、あなたの子どもはこの制度を使う権利があります。ぜひ気軽に一歩踏み出してみてください。
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