建設業で使うファクタリング会社5選|比較・向く場面・注意点を解説

建設業は、工事が完了してから入金されるまでに時間がかかる業界です。着工と同時に資材費や外注費、人件費などの支払いが先行し、売上として手元にお金が入ってくるのは工事が終わってから。場合によっては請求書を出してさらに60日、120日と待つケースもあります。帳簿の上では黒字なのに、手元の現金が足りない、いわゆる「黒字倒産」のリスクが構造的に生じやすい業種といえるでしょう。

こうした状況の解決策として、建設業ではファクタリングが選択肢に挙がることがあります。ただ、ファクタリングはどの会社を選ぶか、どんな場面で使うかによって、実際の効果も負担も変わってきます。手数料の重さを見誤ると、資金繰りを改善するつもりが収益を圧迫してしまうことにもなりかねません。

この記事では、まず建設業との相性や使いどころをもとに5社を比較したうえで、ファクタリングが向く場面・向かない場面、仕組みの基本、注意点、代替手段の違いを順を追って整理します。会社選びの前に「そもそも今使うべきか」を判断するための情報もあわせて掲載していますので、ぜひ参考にしてください。

30秒要約ボックス

相性Sランク(向きやすい人)

  • 元請からの入金サイトが長く、外注費や材料費の支払いが先行して「黒字倒産」のリスクを感じている方。
  • 急ぎの資金需要があり、銀行融資の審査結果を数週間も待つ余裕がない状況にある方。
  • 設立間もない、あるいは赤字決算などの理由で、自社の信用力に基づく融資が受けにくい法人・個人事業主の方。

相性Cランク(慎重に検討したい人)

  • 案件の利益率が極めて低く、手数料(2社間の目安:8〜20%程度)を支払うと工事そのものが赤字になる恐れがある方。
  • 慢性的な資金不足を根本的に解決する手段として、恒常的なファクタリング利用を検討している方。

編集部アドバイス
建設業向けのサービスでは、請求書だけでなく「注文書」の段階で資金化できるものや、夜間対応が可能なものなど、会社によって特色が分かれます。まずは自社の状況に合う条件を提示している会社を複数ピックアップし、手数料と入金スピードを比較して検討することをおすすめします。詳細な比較情報が必要な場合は、「ファクタリングシーク」などの情報を参照し、納得感のある条件を見極めるのが安心です。

第1章 建設業にマッチするファクタリング会社5選を比較

建設業にマッチするファクタリング会社5選を比較

5社比較表

会社名建設業との相性向いている場面対応書類の特徴スピード感こんな事業者向け
株式会社No.1○ 建設業特化サービスあり元請からの入金待ち・急ぎの資金化請求書型(通常ファクタリング)最短即日中小建設会社・個人事業主まで幅広く
えんナビ○ 建設業ページあり急ぎの資金化・24時間対応請求書型(2社間・3社間)最短1日急ぎの相談をしたい・深夜でも連絡したい
トップ・マネジメント◎ 着工前の資金需要に強い請求書発行前に資材費・外注費を確保見積書・受注書・発注書対応最短即日月商500万以上の法人・着工前に資金が必要
ファクタリングのTRY△ 建設業特化ではなくスピード重視急なつなぎ資金・初めての利用請求書型(2社間対応)最短1日初めてで手続きをシンプルにしたい
MSFJ◎ 建設業界専門ページあり支払サイトが長い取引先の売掛金請求書型(2社間対応)最短60分小口から中小建設・個人事業主まで

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株式会社No.1

株式会社No.1は、建設業に特化したファクタリングサービスを個別に設けており、建設業の商習慣への理解度が比較的高い会社といえます。重層下請構造による長い支払サイト、着工前から発生する先行出費、天候や工期のズレによる入金遅延といった業界特有の事情を踏まえた対応が期待できる点は、建設業の事業者にとって相談のしやすさにつながるでしょう。
対応範囲は中小建設会社から個人事業主・一人親方まで幅広く、少額の資金化にも対応しているとしています。資金化のスピードは最短即日。東京本社のほか名古屋・福岡に支店があり、全国でのオンライン対応も可能です。
元請からの入金待ちで今月の外注費や材料費が不足しているといった、典型的な建設業の資金ギャップに対応しやすい会社として比較の起点に置きやすい一社です。
公式サイト:https://no1service.co.jp/

えんナビ

えんナビ(運営:株式会社インターテック)は、2017年創業のファクタリング会社で、建設業向けのページを設けており、これまでに多くの建設業経営者から利用実績があるとしています。取扱件数は4,000件以上、満足度は93%以上(同社公表値)という数字も示されていますが、あくまで参考値として理解しておくとよいでしょう。
えんナビの特徴のひとつは、24時間365日対応という受付体制です。現場仕事で日中の電話が難しい建設業者にとって、夜間や休日にも相談できる体制は利便性が高いといえます。資金化のスピードは最短1日。2社間・3社間どちらにも対応しています。
急ぎの資金が必要で、かつ深夜や休日でも動けるようにしておきたいという場面では、候補として検討しやすい会社です。一方で、手数料の水準は2社間・3社間の選択や売掛先の信用状況によって変わるため、見積もりを取って確認することが重要です。
公式サイト:https://ennavi.tokyo/

トップ・マネジメント

トップ・マネジメントが他の4社と大きく異なるのは、見積書・受注書・発注書という「請求書が発行される前の書類」を対象にしたファクタリングサービスを提供している点です。
通常のファクタリングは、発行済みの請求書(売掛金)を買い取る仕組みです。そのため、工事が完了して請求書を出してからでないと資金化できません。しかしトップ・マネジメントの場合、着工前や着工直後の段階で手元にある見積書・受注書・発注書のいずれか1点があれば、ファクタリングを申し込める仕組みを提供しています。これはちょうど、工事を始める前に材料費や外注費の支払いが必要になる建設業の資金需要と、タイミングが合いやすい仕組みといえるでしょう。
ただし、この見積書・受注書・発注書ファクタリングには利用条件があります。「月商500万円以上・設立半年以上の法人」に限定されており、個人事業主や一人親方は対象外です(通常の請求書ファクタリングは相談可)。請求書が手元にない段階での資金需要がある法人事業者にとっては、比較対象として検討する価値がある会社です。
公式サイト:https://top-management.co.jp/

ファクタリングのTRY

ファクタリングのTRY(運営:株式会社SKO)は、建設業に特化しているというよりも、スピードと手続きのシンプルさを前面に出しているサービスです。手数料は5%〜(自社公表値)、最短1日での資金化に対応しており、2社間ファクタリングに対応しているため取引先に知られずに資金化したい場合の候補になりえます。
建設業からの利用事例も同社サイトに掲載されており、急な受注増で材料費・人件費の前払いが必要になったケースで即日対応を受けたという声が紹介されています。初めてファクタリングを検討する方や、手続きをできるだけシンプルにしたいという事業者にとっては入りやすい選択肢のひとつといえるでしょう。
ただし、建設業特有の書類(工事請負契約書や出来高資料)への対応実績や、業界への理解度については他4社と比べると情報が少ないため、詳細は直接問い合わせて確認することをお勧めします。
公式サイト:https://sko-tokyo.com/

MSFJ

MSFJは、建設業界専門のファクタリングとして専用のページを設けており、建設事業者向けに特化したサービスを展開している会社です。「仕事はあるのに入金までの時間が長くて資金繰りが厳しい」「人件費・材料費・外注費が入金より先に来る」といった建設業特有の悩みを正面に据えた訴求をしており、建設業経営者にとって共感しやすい内容になっています。
買取可能額は10万円〜5,000万円と幅広く、小口の資金化にも対応しているため、一人親方や少人数の事業者でも相談しやすい体制です。手数料は1.8%〜10%(自社公表値)、審査通過率は92.5%(2024年5月時点・自社公表値)としています。入金スピードは最短60分とうたっており、急を要する場面での対応力を重視しているサービスといえます。
また、税金滞納中や赤字決算が続いている場合でも相談可能としている点も、資金繰りが厳しい局面にある事業者には気になるポイントかもしれません。ただし、実際の条件は審査の結果によりますので、問い合わせ時に具体的に確認することが大切です。
公式サイト:https://msfj.co.jp/

5社の中でどう選ぶべきか

5社を一覧で並べると、それぞれの向き不向きがあることがわかります。整理すると、次のような考え方が参考になるでしょう。
すでに請求書が手元にあり、入金待ちの状態にあるなら、株式会社No.1・えんナビ・ファクタリングのTRY・MSFJが比較の出発点になります。急ぎ度が高いなら2社間対応が前提になり、えんナビの24時間受付やMSFJの最短60分対応が候補に浮かびやすくなります。
請求書がまだ発行されていない段階、つまり着工前に材料費や外注費を確保したい場合は、見積書・受注書・発注書に対応しているトップ・マネジメントが特に検討する価値があります。ただし月商500万円以上の法人に限られるため、条件を事前に確認してください。
手数料を抑えたいなら、3社間ファクタリングへの対応有無と取引先との関係性を天秤にかけながら選ぶ必要があります。取引先への通知が問題にならないのであれば、3社間対応のある会社で見積もりを取ると比較しやすくなります。
どの会社が「一番よい」という話ではなく、何のために・いつ・どの程度の金額を資金化したいかによって、適した会社は変わります。複数社に見積もりを依頼して比較することが、結果的に条件の良い選択につながりやすいでしょう。

第2章 建設業でファクタリングが向く場面・向かない場面

建設業でファクタリングが向く場面・向かない場面

ファクタリングが向く場面

建設業でファクタリングが選択肢として有効になりやすいのは、次のような場面です。
元請からの入金まで時間があり、その間に資材費・外注費・人件費の支払いが先に来てしまう場合、手元の現金が一時的に不足する構造的なギャップが生じます。このタイムラグを埋めるための「つなぎ資金」として使うのが、ファクタリングの最も合いやすい使い方のひとつです。
また、銀行融資の審査に時間がかかっていて今月・今週の支払いに間に合わない、あるいは赤字決算や担保不足で融資条件が厳しい局面でも、売掛先の信用力に問題がなければファクタリングの審査を通過できる可能性があります。ファクタリングは自社の財務状況より売掛先の支払い能力を重視する審査が一般的なためです。
大型案件を受注したものの着手金が不足している場合や、賞与・給与の支払い時期が重なって一時的に資金需要が高まる場面でも、売掛金を早期に現金化できるメリットが活きてきます。

ファクタリングを慎重に考えたい場面

一方で、次のような状況ではファクタリングの利用を慎重に判断する必要があります。
建設業は案件によって利益率が10%前後、あるいはそれ以下になることも珍しくありません。そこに2社間ファクタリングの手数料が重なると、手数料の方が利益率を上回るケースが生じます。資金は確保できても、その案件で実質的な利益が出なくなる状況は避けたいところです。
また、毎月ファクタリングを使わなければ資金が回らないという状態になっている場合は、ファクタリングが資金繰り全体の構造的な問題を覆い隠してしまう可能性があります。手数料分のコストが積み重なっていくため、長期的には経営体力を少しずつ削ることになりかねません。
あくまでも一時的な資金不足への対応として活用し、恒常的に依存する運用は避けることが大切です。

一時的なつなぎ資金として有効だが、根本解決にはなりにくい

ファクタリングが最も機能するのは「入金と支払いのタイミングのズレを一時的に埋める」という使い方です。入金条件が改善されたり、手元資金に余裕ができたりすれば必要なくなるものが理想的な使い方といえます。
根本的には、取引先との入金サイトの見直し交渉や、長期的な資金計画の整備、銀行との与信関係の構築といった取り組みも並行して進めることが、安定した経営につながっていきます。ファクタリングはあくまでも選択肢のひとつとして位置づけ、依存しない資金繰りの仕組みを目指すことが重要です。

第3章 建設業で使われるファクタリングの仕組み

建設業で使われるファクタリングの仕組み

請求書ファクタリングの基本

ファクタリングとは、自社が持っている売掛金(請求書)をファクタリング会社に売却することで、入金予定日よりも前に現金を受け取る仕組みです。簡単にいえば、「まだ受け取っていないお金を、手数料を引いて今すぐ受け取る」というサービスです。
リサイクルショップに物を売るイメージに近いかもしれません。手元にある請求書というある種の「資産」をファクタリング会社に売り、現金に換えます。銀行融資のような借り入れではないため、帳簿上の負債は増えません。
建設業では、工事完了後に発行した請求書を使ってファクタリングを行うのが典型的な使い方です。支払サイトが60日〜120日ある場合、その期間を待たずに資金化できる点が特に効果を発揮します。

2社間と3社間の違い

ファクタリングには大きく2種類の契約形態があります。
2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社の2者だけで契約が完結します。売掛先(元請企業など)への通知や承諾を得る必要がないため、取引先に知られずに資金化できます。建設業では「資金繰りが厳しいと思われると次の受注に影響するかもしれない」という心理的な懸念から、2社間を選ぶケースが多い傾向があります。ただし、ファクタリング会社側のリスクが高くなる分、手数料は高めになりやすい面があります。
3社間ファクタリングは、利用者・ファクタリング会社・売掛先の3者が関与します。売掛先からファクタリング会社へ直接代金が振り込まれる仕組みのため、ファクタリング会社にとって未回収リスクが低くなり、手数料は2社間より抑えられる傾向があります。ただし、売掛先の承諾が必要なため、ファクタリングの利用事実が相手に伝わることは避けられません。
急ぎでかつ取引先への秘密を優先したいなら2社間、時間に余裕があり手数料を抑えることを優先するなら3社間が基本的な考え方の目安になります。

注文書ファクタリングとは

通常のファクタリングは、工事が完了して請求書が発行された後にしか使えません。一方、注文書ファクタリング(または見積書・受注書・発注書を対象とするファクタリング)は、請求書が発行される前の段階で資金化できる仕組みです。
建設業では、工事の受注が決まった時点で材料の仕入れや職人の手配が動き始めます。請求書を出せるのは完成後なのに、費用は今すぐ必要という状況がしばしば発生します。注文書ファクタリングはこのタイミングの問題に対応できる仕組みとして、建設業との相性が一定あります。
ただし、対応しているファクタリング会社は限られており、利用条件(月商・設立年数・法人要件など)が設定されているケースが多いため、事前に確認が必要です。

第4章 建設業でファクタリングを使うときの注意点

建設業でファクタリングを使うときの注意点

手数料は「表示の%」だけで判断しない

ファクタリングの手数料は売掛金から差し引かれる形で支払われます。たとえば100万円の請求書に対して10%の手数料なら、手元に残るのは90万円です。この90万円が実際の収入になるわけですから、その工事の粗利益が10万円しかないとすれば、ファクタリングを使った時点でその案件は実質的に赤字になります。
手数料の%だけを見て判断するのではなく、その案件の利益率と比べてどれだけのコストになるかを実際の数字で確認することが重要です。複数社から見積もりを取って比較するのが、適切な手数料の会社を選ぶうえで現実的な方法です。

契約条件を必ず確認する

ファクタリング契約で特に確認しておきたいのは、「償還請求権」の有無です。これは、売掛先が倒産などで支払いできなくなった場合に、利用者がファクタリング会社に代金を返済しなければならないかどうかを定めるものです。
償還請求権なし(ノンリコース)の契約であれば、売掛先が倒産しても利用者は返済義務を負いません。反対に、償還請求権あり(リコース)の場合は、実質的に担保付きの借り入れに近い性格を持ちます。多くのファクタリング会社はノンリコースで提供していますが、必ず契約書で確認してください。
そのほか、事務手数料・振込手数料・登記費用など、手数料以外にかかるコストの有無も確認が必要です。表示手数料以外のコストが加わることで実際の負担が変わることがあります。

同じ債権の二重譲渡は絶対に避ける

すでにファクタリング会社に売却した請求書を、別のファクタリング会社にも売却する「二重譲渡」は、法的に問題となる行為です。資金繰りが厳しい局面でも、これだけは絶対に行ってはいけません。発覚した場合は契約違反にとどまらず、詐欺的な行為として深刻な問題に発展する可能性があります。また、書類の不整合や架空の請求書を使った申請なども同様です。

継続利用が前提になっていないか定期的に確認する

ファクタリングを一度使い始めると、毎月の資金繰りの一部として組み込まれてしまうケースがあります。継続利用が前提になっていると、その分の手数料が毎月のコストとして固定化し、利益率を少しずつ圧迫し続けます。
定期的に「これは本当に必要な利用か」「他の方法で代替できないか」を見直すことが大切です。入金条件の交渉、経費の削減、融資枠の確保といった取り組みを並行して進めることで、ファクタリングへの依存度を下げていくことが理想的です。

第5章 ファクタリング以外の資金調達手段との違い

ファクタリング以外の資金調達手段との違い

銀行融資・公庫・制度融資との違い

銀行融資や日本政策金融公庫、各種制度融資は、ファクタリングと比べてコスト面では有利です。金利は年1〜3%程度が多く、ファクタリングの手数料(年率換算すると相当高くなる場合があります)とは大きな差があります。
一方で、銀行融資は審査に時間がかかります。申し込みから融資実行まで数週間〜1カ月程度かかることが一般的で、「来週の支払いが間に合わない」という局面には対応しにくい面があります。また、決算内容や担保・保証人の状況が審査に影響するため、財務状況が厳しい時期には利用しにくい側面もあります。
建設業においては、長期的な運転資金や設備投資資金には融資系が適しており、短期的な入金ズレへの対応にはファクタリングの方が機動性が高いという使い分けが現実的なアプローチのひとつです。

ビジネスローンとの違い

ビジネスローンは、銀行融資より審査が速く、スピード感ではファクタリングに近いサービスです。ただし、ビジネスローンは借入であるため、帳簿上の負債として計上されます。返済期間中は毎月の返済額が固定費として圧力になることも考慮が必要です。
ファクタリングは借入ではなく売掛金の売却なので、返済義務は生じません。また、自社の財務状況よりも売掛先の信用力が審査の中心になるため、自社の決算内容が芳しくない局面でもファクタリングの方が利用しやすいケースがあります。
ただし、コストはビジネスローンよりもファクタリングの方が高くなりやすいため、急ぎの度合いや財務状況、返済能力を踏まえて選択することが大切です。

第6章 よくある質問

よくある質問

Q. 建設業では2社間と3社間のどちらが使われやすいですか?

A. 建設業では2社間が選ばれるケースが多い傾向があります。元請企業にファクタリングの利用を知られることで信用面での懸念が生じる可能性を嫌う事業者が多いためです。ただし、3社間は手数料が低くなりやすいため、取引先との関係が良好で通知に問題がない場合は3社間も選択肢になります。

Q. 注文書しかない場合でも利用できますか?

A. 対応しているファクタリング会社であれば可能です。ただし全社が対応しているわけではなく、利用条件(月商・設立年数・法人であることなど)が設定されているケースが多いため、事前に確認が必要です。

Q. 赤字決算や税金滞納があっても検討できますか?

A. ファクタリングは自社の財務状況より売掛先の信用力を重視する審査が一般的なため、赤字決算や税金滞納があっても利用できる可能性はあります。ただし条件や審査結果は会社によって異なりますので、複数社に相談して確認することをお勧めします。

Q. 取引先に知られずに使えますか?

A. 2社間ファクタリングであれば、売掛先への通知を行わずに資金化できるケースが一般的です。ただし、債権譲渡登記が必要なケースでは登記情報が公開されるため、完全な秘匿性が保てない場合もあります。契約時に確認してください。

Q. 手数料はどのくらい見ておくべきですか?

A. 2社間ファクタリングの目安は8〜20%程度、3社間は1〜9%程度が一般的な相場です。ただし、売掛先の信用状況・支払サイトの長さ・債権金額によって大きく変わります。利益率と照らし合わせて、手数料を支払っても採算が合うかを確認したうえで判断することが大切です。

第7章 まとめ

まとめ

建設業は、工事着工に伴う先行支出と入金サイトの長さという二重の構造から、資金繰りが不安定になりやすい業種です。こうした局面でファクタリングは、売掛金を早期に現金化して一時的な資金ギャップを埋める手段として機能しえます。
今回紹介した5社を整理すると、請求書がすでにある場合は株式会社No.1・えんナビ・ファクタリングのTRY・MSFJが比較の候補になり、着工前の段階で請求書が出せない場合はトップ・マネジメントの見積書・受注書・発注書対応サービスが特に建設業との相性が高いといえます。
ただし、ファクタリングは手数料コストが伴うため、利益率との兼ね合いを確認せずに使い始めると収益を圧迫するリスクがあります。また、毎月の利用が常態化すると経営体力が徐々に削られていく可能性もあります。あくまでも一時的なつなぎ資金として計画的に活用し、長期的には入金条件の見直しや融資との組み合わせを通じて、ファクタリングへの依存度を下げていくことが健全な資金繰りにつながります。
複数社に見積もりを依頼して実際の条件を比較し、契約書の内容をしっかり確認したうえで判断することをお勧めします。

この記事の著者

中村陽介

中村陽介(資金調達マップ編集部)

資金調達や売掛債権の活用法など、経営者が抱える資金課題をテーマに編集・執筆を担当。元ファクタリング会社に勤務していた経験を活かし、ファクタリングの仕組みや活用ポイントについて、実務的な視点から分かりやすく伝えることを重視している。

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