小規模事業者持続化補助金【第18回・一般型／通常枠】完全ガイド（要件・特例・スケジュール）

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小規模事業者持続化補助金＜一般型・通常枠＞第18回公募のポイント



販路開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を後押しする制度が「小規模事業者持続化補助金＜一般型・通常枠＞」です。
通常枠の上限50万円に加え、要件を満たすことでインボイス対応や賃金引上げに関する特例を活用でき、設備投資からウェブ活用、展示会出展まで幅広い経費が対象になります。
本節では、第18回公募の要点と、実務でつまずきやすい箇所を編集部の視点で整理します。

制度の概要と申請で失敗しないコツ

第18回公募（一般型・通常枠）は、販路開拓と業務効率化に資する取り組みを後押しする支援策です。補助率は原則2/3。
成功の近道は、要件とスケジュールを正確に把握し、計画を「採択後にそのまま実行できる具体度」まで落とし込むことです。
数値目標は売上・客数・受注件数・リード獲得など自社のKPIに結び付け、過去実績や算定根拠を併記すると説得力が増します。
さらに、費目（ウェブサイト関連費／展示会等出展費／機械装置等費／委託・外注費）ごとに“やること・やらないこと”を明確化し、投資と成果の因果を一文で説明できるようにしておきましょう。

区分	補助上限	補助率	主な対象目的
通常枠	50万円	2/3	販路開拓・業務効率化
インボイス特例	＋50万円（上限100万円）	2/3	インボイス対応と一体の取組
賃金引上げ特例	＋150万円（上限200万円）	2/3	賃上げの実施と生産性向上

• 申請受付開始：2025年10月3日（金）
• 申請締切：2025年11月28日（金）17:00まで
• 事業支援計画書（様式4）発行締切：2025年11月18日（火）
対象経費は「機械装置等費」「広報費」「ウェブサイト関連費」「展示会等出展費（オンライン含む）」「旅費」「新商品開発費」「借料」「委託・外注費」など。
重要なのは、費目と実施内容の紐づけを明確にすることです。
たとえばウェブサイト関連費で新規顧客の獲得を狙う場合は、ターゲット（地域・属性・検索意図）とコンテンツ計画、CTA（予約・見積・問い合わせ）の設計を分けて記し、想定CVRや流入見込みを数値で置きます。
展示会等出展費であれば、来場者属性と「名刺獲得→商談化→受注」の導線、会後フォロー（MA・CRM・送付タイミング）までを時系列の施策表に落とすと、運用が安定します。
1. 計画は「現状の課題→解決策→成果指標」の三段構成に。
   課題は主観ではなくデータ（原価率・納期・回転率・CVR等）で示す。
2. 見積・仕様・スケジュールを同時に整備。
   外注・委託は業務範囲と成果物を明記し、相見積の比較可能性を確保する。
3. 交付決定前の発注は対象外。
   自己負担分と立替期間を前提にキャッシュフローを先に確保する。
4. インボイス対応は請求書発行体制や会計処理の変更まで計画に織り込み、賃金引上げは水準・時期・就業規則の扱いを明記する。
5. KPIは「売上＋効率」の二軸で設定（例：受注単価、加工時間短縮、歩留まり改善、問い合わせから受注までのリードタイム）。
スケジュール面では、様式4（事業支援計画書）の発行締切が申請締切より前に来る点に注意が必要です。
商工会・商工会議所の確認予約は早めに取り、計画書は第三者の目で読み直して、論理の飛躍や専門用語の置き換え（読む相手に通じる言葉か）を最終チェックします。
さらに、対象外になりやすいNG例（単なる運転資金、汎用サブスク費のみ、根拠のない広告費の増額など）を事前に洗い出し、代替案を用意しておくと安心です。
体験談（編集部取材より）：最初にご相談いただいた都内の小売店Aさんは、「応募要項は読んだが自社計画に落とせない」と悩んでいました。
在庫回転率やECのCVRを可視化すると、投資の優先順位が明確に。
機械装置等費でラベル発行機と簡易検品カメラを導入し、ウェブサイト関連費で商品検索性とレビュー導線を強化。
展示会はオンラインに振り替え、名刺枚数ではなくフォーム送客数をKPIに据えました。
その結果、出荷ミスが減り繁忙期の残業も抑制。
「数字で語れる計画に直してからは運用の迷いが減った」との声が印象的でした。
要件を丁寧に読み解き、現場の課題と費目を一本線で結ぶ——この基本を守れば、申請も実行もぐっと進めやすくなります。

対象者・要件と特例の適用条件



このセクションでは、「誰が申請できるのか」「申請までに何を満たすべきか」「インボイス特例・賃金引上げ特例はどんなとき適用できるのか」を、実務の流れに沿って整理します。
用語はできるだけ平易に置き換え、判断の拠り所（確認書類や社内手続き）まで具体的に示します。

申請対象の確認と特例の使い分け

まず前提として、自社が「小規模事業者」に該当するかを最初に確認します。
ここで言う小規模事業者は、業種区分ごとに定められた「常時使用する従業員数」の基準内であることが要点です。
法人・個人事業主・組合等の形態は問われますが、主たる事業が国内で行われていること、反社会的勢力と関係がないこと、そして税・社会保険の納付状況が適正であることなど、基本的な適格性も同時に見ます。
次に、取り組み内容が「販路開拓」または「業務効率化」に該当しているかを整理し、対象外になりやすい費用（単なる運転資金や私的利用と混同しうる備品など）を早めに除外します。
加えて、商工会・商工会議所の支援確認（様式4）の取得は、申請締切より前に期限が来るため、相談予約を先に押さえるのが安全です。

論点	確認資料	つまずきやすい点
小規模該当性	就業規則・賃金台帳・勤務シフト等	パート・アルバイトの算入基準を曖昧にしない
事業の適格性	定款/開業届、直近の決算/確定申告、納税証憑	副業的事業や海外主体の案件は適格性に留意
取り組みの妥当性	現状KPI、課題メモ、施策の稟議資料	対象外経費の混入、目的と費目の不一致
支援確認（様式4）	事業計画のドラフト、面談メモ	締切逆算を誤り、予約が取れない

• 対象外の典型を先に除外（運転資金、汎用サブスクのみ、私物と共用になり得る備品 等）。
• 費目は「何を、なぜ、どの指標で評価するか」を1行で言い切る（例：LP新設→CVR改善）。
• 支援機関の面談では、現状データと施策の因果（課題→打ち手→KPI）を紙1枚で示す。
1. 小規模該当性と適格性の確認（従業員カウントのルールを文書化）。
2. 取り組みの適合性整理（販路開拓/業務効率化のどちらに立つかを明確化）。
3. 費目ごとにKPI・検収方法・証憑の残し方を定義。
4. 支援機関面談の予約と様式4の段取りを前倒し。
5. 相見積や契約（案）を整備し、比較可能性を確保。
ここから特例の使い分けです。
インボイス特例は、適格請求書発行事業者の登録・運用（発行、受領、保存）を事業の取り組みと一体で進める設計が前提になります。
請求書フォーマット、発行フロー、保存方法、取引先への周知までを図解し、関連する経費（会計処理の見直し、帳票の整備、業務手続の変更など）を取り組み全体の中に位置付けます。
賃金引上げ特例は、引上げの水準・対象・時期を就業規則や賃金台帳で裏づけられる形にしつつ、生産性向上の打ち手（工程短縮、歩留まり改善、CVR改善等）と同ページで整合を取るのが要点です。
原資は「効率化によるコスト圧縮」と「売上増」の両輪で説明し、業績急変時の見直しルールも添えます。
また、交付決定後の発注・契約・支払いに限定される点は厳守が必要で、交付決定前の発注は対象外です。
キャッシュフローの山（発注→納品→検収→支払い→実績報告）を時系列で見取り図にしておくと、運用段階の迷いが減ります。

特例	設計のポイント	注意点
インボイス特例	登録・発行・保存の運用図を作成し、取組と一体化	体制整備が経費と施策に結び付いているかを明示
賃金引上げ特例	水準・対象・時期を明記し、生産性施策と整合	原資の根拠（効率化/売上増）と就業規則の整合

体験談（編集部・高橋）：実際に、都内の小売A社は「対象者に当てはまるか不安」とのご相談から始まりました。
正直、最初は要件の読み込みに自信がなさそうでしたが、従業員カウントの整理と現状KPIの可視化を一緒に行うと、想像以上に判断がクリアになりました。
インボイス特例は請求フローの図解で腹落ちし、賃金引上げ特例は評価制度と時期の整合まで具体化。
結果、様式4の発行も滞りなく進み、申請書は「目的→打ち手→KPI→証憑」の流れが一本線でつながりました。
要件は“読む”だけでなく、“自社の運用図に落とす”ことで、ぐっと理解しやすくなります。

スケジュールと提出物の実務



申請は「間に合わせる」より「整えて出す」ことが結果につながります。
本セクションでは、第18回公募（一般型・通常枠）を前提に、様式の準備・見積と契約（案）・支援機関の確認・版管理・証憑の突合までを、締切から逆算して段取り化します。
迷いを減らし、提出直前の差し替えや入力ミスを防ぐための実務手順を、やさしく具体的にまとめました。

締切逆算と提出物チェックリスト

まず最初に、社内で「提出までの地図」を共有します。
起点は申請締切ではなく、事業支援計画書（様式4）の発行は申請締切より前に締め切られるという前提です。
支援機関（商工会・商工会議所）への相談予約は早めに押さえ、計画書の骨子（現状→課題→施策→KPI→収支の見通し）と、見積・仕様・契約（案）・検収・支払い・証憑の突合ルールを同時に整えます。
さらに、版管理（ファイル名・更新履歴・図表番号・脚注表記）を統一し、差し戻しに備えて「指摘→該当→対応→根拠」を1枚でまとめる対応表を事前に用意しておくと安心です。
資金面では、交付決定後に発注できる原則を守りつつ、立替期間を見込んだキャッシュフロー（発注→納品→検収→支払い→実績報告）を時系列で可視化します。
以下の時系列表を目安に、社内の役割分担（責任者・担当・確認者）と一次・二次レビューの予定も同時に確定させましょう。

時点（目安）	主な作業	成果物／確認
T−40〜30日	骨子作成、支援機関へ相談予約、対象外経費の除外	計画アウトライン、対象外リスト、必要見積の洗い出し
T−21〜14日	相見積取得、仕様確定、費目×KPIの因果整理	比較可能な見積一式、仕様書、KPI表（月次測定方法つき）
T−10〜7日	支援機関面談・様式4申請、契約（案）整備、版管理ルール適用	様式4申請控、契約（案）、ファイル命名規則の適用開始
T−5〜3日	一次凍結（内容の確定）、体裁統一、添付の突合	更新履歴一覧、図表番号・脚注統一、証憑リンク集
T−2〜1日	第三者音読レビュー、差し戻し対応表の準備	誤字脱字修正、指摘→該当→対応の表、提出手順チェック
提出当日	電子申請システム入力、添付、送信控の保存	提出完了画面／受領メールの保管、最終版のアーカイブ

• 提出物は「本文→図→表→添付」の参照順を守り、本文から必ず参照する（図表だけ差し替えは整合崩れの元）。
• 見積は仕様・数量・納期を揃えて比較可能性を担保。
  委託・外注は成果物と検収基準、権利帰属を契約（案）に明記。
• KPIは月次で取得できる指標（CVR、商談化率、工程時間、歩留まり等）に限定し、取得方法・更新担当を本文中に記載。
• 版管理は「YYYYMMDD_社名_書類名_v03」のように統一し、旧版はアーカイブ。
  更新箇所は表紙裏に一覧化。
• キャッシュフローは立替期間を可視化し、支払サイトや短期資金で山を平準化。
  交付決定前の発注・支払いは避ける。
体験談（編集部・高橋）：実際に、サービス業D社の申請では「資料はそろっている」との自己評価でしたが、正直、版が乱立していて誰も最新版を把握できていませんでした。
想像以上に効いたのは、T−5日の「一次凍結」です。
内容を凍結してからは、誤字修正と数値確定に集中でき、様式4の段取りも滞りなく進行。
提出当日は提出手順の読み合わせだけで済み、差し戻しも最小限でした。
段取りを先に決め、全員で同じ地図を見る——この基本が、最後の安心につながります。

審査で評価されるポイントと加点のヒント



審査で重点的に見られるのは「実現性」「因果の明確さ（施策→成果）」「実行体制」「波及効果（収益・効率への寄与）」です。
本セクションでは、制度名や補助率の反復ではなく、費目とKPIを一本線で結ぶ書き方と、加点につながる裏づけの示し方を整理します。
読み手が迷わない構成と、測れる指標の提示が鍵です。

評価の軸に沿った“伝わる”書き方

まず、現状の数値から「どこを、どれだけ、いつまでに」改善するのかを明示し、そのための打ち手（費目）と成果（KPI）を一文で結びます。
施策の効果がどこで回収されるか（粗利・再来率・工程時間・歩留まり等）まで一気通貫で示すと、読み手の納得感が高まります。
とくに成果指標は月次で測れる数値に限定し、取得方法・更新担当・未達時の修正ルールを明文化しておくと、実行可能性が伝わります。
特例（インボイス／賃金引上げ）を使う場合は、要件・実施時期・証憑と施策の整合を同一ページ内で確認できるよう配置してください。

審査観点	見られる要点	有効な書き方・証憑
実現性	計画が現場で実行できるか	役割分担（責任者・担当）、スケジュール、相見積と仕様、検収基準、資金繰り表
因果の明確さ	費目→KPI→収益/効率のつながり	現状値・改善幅・根拠データ、施策の一文要約（例：LP新設→CVR+0.8pt）
体制の堅牢さ	ボトルネック時の代替手段	外注バックアップ、代替調達、意思決定ルール（遅延・未達時の配分変更）
波及効果	収益・効率への具体的寄与	粗利増・リードタイム短縮・再来率向上の試算と回収期間、感度分析
特例の整合	要件適合と事業計画の一体性	インボイス運用図／賃上げの水準・時期・原資の裏づけ（就業規則・台帳）

• OK：現状→改善幅→根拠→施策→回収の順で記述し、KPIは月次で取得可能にする。
• OK：展示会はファネル（事前アポ→当日デモ→会後フォロー）を設計し、責任者と期限を明記。
• NG：一般論や宣言の羅列、制度名・補助率の反復、データの出所不明、図表だけ差し替え。
• NG：KPIが四半期単位のみ、未達時の修正ルールなし、検収基準や権利帰属の不明確さ。
1. KPIを月次で定義（値・取得方法・担当・更新頻度）。
2. 費目ごとに「やる/やらない」を線引きし、因果を一文で要約。
3. 回収期間と感度（売上/効率が±10%動いた場合）を試算。
4. 代替調達・外注バックアップ・配分変更の意思決定ルールを明文化。
5. 特例は要件・時期・証憑を施策ページ内で整合させて配置。
体験談（編集部・高橋）：実際に、製造業の案件で「品質向上」を掲げるだけの計画書を拝見しました。
正直、そのままでは弱いと感じました。
工程データを一緒に洗い出すと、想像以上に再検査時間がボトルネックでした。
そこで、機械装置等費で検査精度を上げ、ウェブサイト関連費で即納可否を明示、展示会では“短納期デモ”を前面に据える設計へ。
月次KPI（工程時間・歩留まり・商談化率）と回収試算を添えたところ、社内合意が一気に進み、提出用の文章も迷いなく整いました。

採択後から実績報告までの運用



採択はゴールではなくスタートです。
交付決定後に発注・納品・検収・支払い・広報・効果測定を実行し、証憑を整えて実績報告へ。
作業は多岐にわたりますが、ルール化すれば迷いは減ります。
ここでは、現場で混乱しやすいポイントと、証憑の残し方を具体的に解説します。

発注・検収・支払い・証憑の残し方

まず運用ルールを1枚にまとめ、「誰が・いつ・何を・どこに保存するか」を決めます。
フォルダは「01_契約・見積」「02_発注書」「03_納品・検収」「04_請求・支払い」「05_成果・計測」の階層で整理し、ファイル名には日付と版を付与。
発注は交付決定日以降、契約・注文書の発行と同時に仕様・納期・検収基準を再確認します。
検収では、数量・仕様・動作・文章（原稿・デザイン・コード等）の合致をチェックし、OKなら検収書またはメール承認を保管。支払いは請求書と振込記録をひも付け、振込日時・金額・取引先名が突合できる形で保存します。
とくに検収日・支払日・証憑の突合ができる状態で保存しておくと、実績報告時の確認がスムーズです。
ウェブサイト関連費は、公開日時のログ・変更履歴・計測（GA4等）のスクリーンショット、展示会等出展費は出展契約・搬入出記録・名刺/リード管理・会期後フォローの記録を残します。
機械装置等費は、納品書・設置写真・試運転記録・安全確認・教育記録、委託・外注費は、成果物と検収チェックリストをセットで保管。
KPIは「月次定点観測」を基本に、未達時の対処（広告配分の変更、LPのABテスト、工程の標準化）を運用会議の議事録に残します。
最後に、実績報告のドラフトは期限の2～3週間前に着手し、金額・日付・取引先名の表記ゆれを解消。
証憑の不足は早めに補完し、差替え履歴を残しておくと安心です。

工程	必要書類・データ	よくあるミス
発注	契約/注文書・仕様書・スケジュール	口頭発注・仕様確定前の発注
検収	納品書・検収書・動作/品質記録	口頭OKのみ・証跡未保存
支払い	請求書・振込控・台帳	金額/日付/相手先の突合抜け
効果測定	ダッシュボード・ログ・議事録	KPI未定義・計測設定漏れ

• ファイルは「日付_取引先_内容_v番号」で統一（例：2025-10-12_ABC社_LP制作_v03）。
• 写真は原寸（メタ情報保持）で撮影・保存。
  サムネ用は別出力。
• 外注は成果物定義と検収基準を契約に明記。
  改定履歴は追記式で残す。
体験談（編集部・高橋）：正直、最初は「証憑の整理くらい簡単」と思われがちです。
実際に、ITサービスF社も同じでしたが、想像以上にメール承認だけの案件が多く、後追いで書面化に時間がかかっていました。
運用ルールを1枚にまとめ、検収のチェックリストを導入してからは、実績報告の作成が一気に短縮。
数値確認も迷わず進み、社内の負担感が目に見えて減りました。

予算配分と費用対効果の設計



補助率2/3であっても、自己負担と立替期間は必ず発生します。
第18回公募（一般型・通常枠）では、目的別に費用を割り振り、KPIと収益貢献を先に設計しておくことが運用の要です。
ここでは、機械装置等費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・委託・外注費を軸に、投資配分と回収シナリオの作り方を解説します。

KPIに紐づく予算配分の作り方

予算は「目的→打ち手→費目→KPI→収益影響」の順で決めます。
小規模事業者持続化補助金（一般型・通常枠）の第18回公募では、販路開拓と業務効率化の両輪で成果を設計するのが要点です。
例えば、問い合わせ増加が主目的ならウェブサイト関連費を厚めに、受注処理のボトルネック解消が急務なら機械装置等費の比重を上げます。
展示会等出展費は新規商談の母集団形成に強みがある一方、リードの質は事前のアポイントと会期後のフォローの設計に左右されます。
委託・外注費は「範囲・成果物・検収基準」を明確化し、内製との最適分担を図ると、実装スピードと品質が安定します。
補助率2/3であることを前提に、キャッシュフローの山（発注・検収・支払い・実績報告）を時系列で可視化し、金融機関の短期資金や支払サイトの調整も検討します。
インボイス特例は請求・会計の運用改善とセットで、賃金引上げ特例は生産性向上の根拠と原資設計を伴走させると整合性が高まります。
とくにKPIは「月次で追えること」と「費目ごとに因果が説明できること」が重要です。
CVRや商談化率、工程時間、歩留まり、在庫回転率など、改善幅と計測方法を事前に定義し、未達時の方針転換（広告配分変更、LPのABテスト、工程の標準化・RPA化）を意思決定ルールとして明文化しておくと実装が速くなります。
一般型・通常枠であっても、第18回公募は評価軸が大きく変わるわけではありません。
「数字→施策→数字」の往復運動を淡々と設計することが、最終的に採択後の運用コストを下げます。
編集部としては、見積・仕様・スケジュールを同時に整備し、発注前の最終レビューで「費目とKPIの一本線」を再確認する体制を推奨しています。

費目	主目的	代表KPI	回収の考え方
ウェブサイト関連費	CVR向上・獲得単価改善	CVR、CPA、問い合わせ件数	LTVとCPAの差分で回収期間を試算
展示会等出展費	新規商談の母集団形成	名刺→商談化率→受注率	受注粗利−出展総額でブレークイーブン
機械装置等費	工程短縮・不良率低下	作業時間、歩留まり、リードタイム	人件費・外注費・機会損失の圧縮で回収
委託・外注費	専門作業の品質確保・スピード化	納期遵守率、改修回数、品質指標	内製対比の時間価値と機会損失で評価

• 配分は「80/20」から開始し、実績に応じて柔軟にリバランス。
• 賃金引上げ特例の原資は「効率化の浮き」＋「売上増」を両建てで説明。
• インボイス特例は、請求・受領・保存の運用図と会計の仕訳を合わせて示す。
体験談（編集部・高橋）：実際に、ECと店舗を併営する小売G社では、最初に広告比率を高めすぎて在庫が追いつかず、正直、機会損失が出ていました。
想像以上にボトルネックは倉庫のピッキングと撮影工程にあり、機械装置等費と委託・外注費へ配分を振り替え。
結果、画像生成とSKU管理が改善し、ウェブサイト関連費のCV最適化も効き始めました。
「配分の見直しを前提に計画を作る」ことの大切さを、あらためて実感しました。

NG経費とリスクの回避



採択率を左右するのは、攻めの計画だけでなく「やってはいけない」を避けることです。
第18回公募（一般型・通常枠）で誤解が多い対象外・グレーゾーンの線引きと、証憑・契約の整え方をまとめます。
迷ったら要件に立ち返り、代替案を早めに用意しましょう。

対象外・グレーゾーンの見極め

代表的なNGは、交付決定前の発注・支払い、単なる運転資金、汎用の会費やサブスク、私的利用と混同しうる備品、既存更新のみで効果が測れない改修などです。
小規模事業者持続化補助金（一般型・通常枠）の第18回公募では、費目（機械装置等費、ウェブサイト関連費、展示会等出展費、委託・外注費）の目的に照らして、販路開拓・業務効率化と因果が説明できるかが判断基準になります。広報費・広告費は媒体・期間・配信条件・CPA/ROASを明示し、効果測定の仕組み（計測タグ、ダッシュボード、責任者）をセットで示すと、対象外リスクが下がります。
展示会等出展費は「出るだけ」では弱く、事前アポイントと会期後フォロー（MA・CRM・テンプレートメール）の具体を伴わせます。
委託・外注費は丸投げが最も危険で、成果物・検収基準・権利帰属・秘密保持を契約に明記します。
機械装置等費は更新・修繕に寄りやすいので、工程短縮や歩留まり改善の根拠（現状データと改善見込み）を明確に。
さらに、インボイス特例・賃金引上げ特例を活用する場合は、制度要件の満たし方（登録・就業規則・支給時期）と、事業成長への結び付けを同じ段落で説明して整合を取ります。
最後に、見積の比較可能性（仕様・数量・納期の揃え）と、検収・支払い・証憑の突合は、実績報告の生命線です。
迷ったら「因果が書けるか」「証憑で裏づけられるか」を2本柱に判断します。

カテゴリ	NG/グレーの例	回避・代替案
発注・支払い	交付決定前の発注・前払い	決定通知後に発注、契約書で検収基準を明記
広告・広報	目的不明の一括出稿、装飾中心リニューアル	ターゲット・期間・CPA/ROASと計測設定を提示
備品・ソフト	私的利用混在、汎用サブスク	業務限定の利用規程・権限設定・ログ保存
委託・外注	成果未特定・丸投げ・権利帰属不明	範囲・成果物・権利・秘密保持・検収の明文化
機械装置	単なる更新・修繕	工程短縮・歩留まり改善の定量根拠を提示

• 広報費は「媒体×訴求×CTA」をセットで設計し、KPIと結びつける。
• 展示会は「事前アポ→当日実演→会後フォロー」の導線を必ず書く。
• 契約・検収・支払いは日付・金額・相手先の突合ができる書式を統一。
体験談（編集部・高橋）：実際に、サービスH社は当初「会員制サービスの年会費」を広報費に入れていました。
正直、このままでは対象外になりかねません。
想像以上に効果の見える費用へ振り替える必要があり、ウェブサイト関連費としてLP制作と計測整備、展示会等出展費として事前アポ獲得の広告へ再設計。
契約と検収の様式も統一し、実績報告の証憑を取りこぼさない運用に切り替えました。
結果、申請内容の一貫性が増し、採択後の運用もスムーズでした。

事業計画の書き方テンプレート（そのまま流用できる骨子）



「読み手が迷わない順序」と「施策と成果の因果」をそろえるだけで、計画書はぐっと強くなります。
第18回公募（一般型・通常枠）を前提に、費目とKPIを一貫させる骨子と、実務でそのまま使える整え方を紹介します。
専門用語は最小限にし、判断の拠り所（数値・証憑・体制）を明確に示すのが基本です。

骨子テンプレと記入のコツ（費目とKPIを一本線でつなぐ）

まず大枠は「現状→課題→施策→KPI→収益・効率→リスク対策→実行体制→スケジュール→証憑管理」。章ごとに“何を決め、何で確かめるか”を一行で言い切ります。
現状は客数・CVR・在庫回転率・作業時間など“測れる指標”を起点に、課題はデータ差分で表現（例：直近6か月CVR2.6%→目標3.4%）。
施策は費目（ウェブサイト関連費／展示会等出展費／機械装置等費／委託・外注費）ごとに「やること／やらないこと」を明示し、KPIとの因果を一文で結びます（例：「LP新設×計測設定→CVR+0.8pt」「事前アポ×当日デモ→商談化率+6pt」）。収益・効率は「粗利×再来率×LTV」と「工程時間×歩留まり」の二軸で回収期間を概算。
リスク対策は、未達時の配分変更やABテスト、代替調達などの“意思決定ルール”をあらかじめ定義します。
体制は責任者・担当・外部の役割と会議体（週次・月次）のセット、スケジュールは様式4から逆算し、発注・検収・支払い・実績報告の節目を置きます。
証憑管理はフォルダ構成と命名規則を最初に決め、納品・検収・振込の突合ができる状態を保つことが肝心です。
最後に、1文1要点で「施策→KPI→回収」の順に書く――これだけで読み手の負荷は大きく下がります。

章	目的	書く内容	分量目安
現状と課題	出発点の共有	KPIの現状値・直近推移・原因仮説	A4で1～1.5枚
施策と費目	因果の提示	費目別の打ち手・期待効果・代替案	A4で1.5～2枚
KPIと回収	成果の見立て	改善幅・回収期間・感度分析	A4で1枚
体制と運用	実行の担保	役割分担・会議体・版管理・証憑	A4で0.5～1枚

• 図は「比較（Before/After）」「推移（折れ線）」「構造（ファネル）」の3種に限定し、乱立を防ぐ。
• 費目の“やらないこと”を併記し、優先順位の軸と投資の集中を担保する。
• KPIは月次で取得できる指標のみ採用し、取得方法・更新担当・記録場所まで本文に書く。
体験談（編集部・高橋）：実際に、小売×ECの案件でこの骨子テンプレを適用したところ、正直、当初は「書くことが多すぎる」と戸惑いがありました。
ところが、想像以上に“やらないこと”を先に決めた瞬間、議論が一気に整理。
ウェブサイト関連費はLPと計測に集中、展示会等出展費は事前アポと会後フォローに絞り、機械装置等費はボトルネック工程だけに投資しました。
結果、KPIの追跡と改善が回り出し、実績報告も迷いなく進みました。

提出前チェックリスト（保存版）



申請の最終段でミスが出やすいのは、版管理と証憑の不足です。
第18回公募（一般型・通常枠）の提出直前に確認してほしいポイントを、チェックリスト形式でまとめました。
ここだけは外さない、という必須項目に絞っています。

版管理・体裁・証憑の最終確認

提出前の“最後の1時間”でできることは限られています。
だからこそ、事前に落とし穴を塞いでおきます。
まず版管理は、表紙裏に「版数・更新日・更新者・更新箇所」を明記。
ファイル名は「YYYYMMDD_社名_計画書_v03」のように固定します。
体裁は、見出し階層（h2/h3相当）・図表番号・脚注・引用元の表記を統一し、図は本文で触れてから掲載。
費目別の施策は「やること／やらないこと／KPI／回収期間／担当／期限」を横並びにし、空欄を作らない。
証憑は、見積・仕様・契約（案）・発注・納品・検収・請求・振込の突合ができるようフォルダで整理し、納期遅延時の代替調達や広告未達時の配分変更など、意思決定ルールを別紙で添付します。
インボイス特例は登録と運用の両面（発行フロー・保存方法・会計の仕訳）を、賃金引上げ特例は水準・時期・対象・就業規則・原資の整合を同一ページで確認。
最後に、第三者（非専門）の音読レビューを1回挟むだけでも、論理の飛躍や用語のわかりづらさが顕在化します。
小規模事業者持続化補助金（一般型・通常枠）第18回公募という前提と、補助率2/3の資金繰り制約を踏まえ、実行段階で迷わない文書に仕上げましょう。

カテゴリ	必須チェック	OKの判定基準
版管理	版数・更新箇所・ファイル名の統一	表紙裏で最新版が一目、旧版はアーカイブ済み
体裁	見出し階層・図表番号・脚注の統一	本文→図→表の順で参照できる
費目・KPI	やらないこと・担当・期限の明記	空欄なし、KPIは月次取得可能
証憑	見積～振込までの突合可能性	日付・金額・相手先が一致
特例	インボイス／賃上げの要件整合	要件→施策→証憑の流れが一枚に収まる

• 図表だけを差し替えると整合が崩れやすい。
  本文の該当箇所も同時更新する。
• 用語は現場の言葉に置き換える。
  専門用語は脚注で補足。
• 提出2日前に一度“内容凍結”し、以降は誤字修正と数値確定に限定。
体験談（編集部・高橋）：実際に、サービス事業の計画書で、版管理の乱れから図表の数字と本文が食い違う事態が起きました。
正直、提出直前の修正は神経をすり減らします。
想像以上に効いたのは「内容凍結」のルール化でした。
2日前に凍結してからは、最終チェックの集中度が上がり、以後の採択案件でも同じ手順を踏むことで安定した品質を保てています。

電子申請の準備と書類作成のコツ



申請書の中身が整っていても、電子申請の体裁やデータ形式でつまずくと提出が遅れます。
第18回公募（一般型・通常枠）では、ファイル名・拡張子・容量・文字化け対策など基本を丁寧に押さえるだけで、提出直前のストレスが大幅に軽減します。
ここでは、申請手続き全体の見取り図と、実務で役立つ整え方をまとめます。

電子申請をスムーズに進めるための設計図

電子申請は「準備→入力→添付→送信→控え保存→差し戻し対応」の直線ではなく、実際には行き戻りが必ず発生します。
だからこそ、最初に「ファイル構成」と「責任分担」を決めるのが近道です。
まず、ディレクトリは「01_様式」「02_見積・仕様」「03_契約・発注」「04_納品・検収」「05_計測・KPI」の階層に分け、各フォルダ内は日付と版（v01, v02…）で管理します。
ファイル名は「YYYYMMDD_社名_書類名_v03」のルールで統一すると、検索と差し戻し対応が速くなります。
文字コードは標準的なUTF-8、日本語フォントはOS標準を利用し、画像・表を含む書類はPDF化してレイアウト崩れを防ぎます。
さらに提出前の容量超過は“画質の劣化”ではなく“不要ページの削除と適切な解像度”で解決するのが基本です。
スキャンは300dpi程度で十分な可読性が得られることが多く、白紙ページや重複ページを削除するだけで容量は大きく下がります。
申請画面の入力では、SEOキーワードである「小規模事業者持続化補助金」「一般型」「通常枠」「第18回公募」「補助率2/3」「インボイス特例」「賃金引上げ特例」を必要箇所に自然に織り込みつつ、過度な羅列は避けます。
本文は「現状→課題→施策→KPI→回収→リスク対策」の順で、費目（ウェブサイト関連費／展示会等出展費／機械装置等費／委託・外注費）ごとに因果を一文で示すと審査側の読み負担が下がります。
添付ファイルは、見積の比較可能性（仕様・数量・納期の揃え）と、契約・検収・支払い・証憑の突合ができることを優先。
差し戻しが来た場合は、指摘箇所と該当ファイルの対応表を1枚で作成し、再提出時に混乱しないよう更新箇所を網掛けします。
ログイン・タイムアウト対策として、テキストは一度エディタで作成してから貼り付ける運用が安全です。
体験談（編集部・高橋）：実際に、サービス業I社は提出直前のPDF差し替えでリンク切れが多発しました。
正直、焦りました。
想像以上に効いたのは「提出当日の新規出力禁止」というルールです。
前日に全PDFを再出力し、当日はファイル名のみ確認。
結果、通信トラブル時も落ち着いて再送でき、無事に受理されました。

業種別の設計例（小売・製造・サービス）



第18回公募（一般型・通常枠）は「何に投資し、どんな成果を狙うか」を具体に落とせば強くなります。
ここでは、小売・製造・サービスの3業種を例に、費目とKPIのつなぎ方、そして回収シナリオの作り方を示します。
自社の状況に合わせて置き換えてください。

ケーススタディ：費目→施策→KPI→回収の一気通貫

【小売】目的が新規顧客の獲得なら、ウェブサイト関連費で「商品検索性・在庫表示・レビュー導線」を整え、展示会等出展費は地域催事やオンライン展示会での“発見接点”として活用します。
KPIは「検索流入×CVR×客単価」。たとえばLP増設でCVR+0.6pt、レビュー導線で再来率+3ptを狙い、CPAとLTVの差分で回収期間を試算。
在庫のズレがボトルネックなら、委託・外注費で商品登録と画像作成を標準化し、品切れ率の低下を粗利に反映させます。
【製造】機械装置等費でボトルネック工程を短縮し、展示会等出展費で「短納期×品質」の価値訴求を行います。
KPIは「工程時間・歩留まり・リードタイム」。例えば工程短縮20%で月の処理能力を底上げし、営業の即納提案に結び付けます。
ウェブサイト関連費では、見積依頼フォームを明確化し、図面テンプレの配布でやり取りを短縮。
委託・外注費は、検査の一部アウトソースでピーク時の詰まりを回避。
【サービス】予約～提供までの導線をウェブサイト関連費で可視化し、広告は“指名＋準指名”中心にCPAを抑制。
展示会等出展費はBtoB商談の母集団形成に使い、KPIは「予約率・キャンセル率・継続率」。
委託・外注費はコンテンツ制作やFAQ整備を外部と分担し、一次回答の自己解決率を高めます。
賃金引上げ特例を使う場合は、効率化で生まれる“浮き”を根拠に、評価制度と時期を合わせて明記します。
これらに共通するのは、費目と成果の距離を最短にすることです。
施策の因果を「一文」で説明し、KPIは月次で取得。
インボイス特例は請求・会計・保存の運用図を、賃金引上げ特例は水準・対象・原資を同一ページで示すと、審査の納得感が増します。
加えて、図表は「比較」「推移」「ファネル」の3種に絞り、乱立を避けると読み手が迷いません。
最後に、効果未達時の配分変更（広告→コンテンツ、展示会→ウェビナー等）を意思決定ルールとして明文化しておけば、運用フェーズの修正もスムーズです。
体験談（編集部・高橋）：実際に、製造業J社は「品質向上」を掲げるだけで数字が伴っていませんでした。
正直、そのままでは弱いです。想像以上に効いたのは、歩留まりと再検査時間を起点に“粗利影響”へ直結させたこと。機
械装置等費で検査精度を上げつつ、ウェブサイト関連費で即納可否を明示、展示会では“短納期デモ”を前面に。
受注単価が底上げし、回収シナリオが現実味を帯びました。

よくある質問（FAQ）



申請前・採択後・実績報告の各フェーズには、毎回のように出る定番の疑問があります。
第18回公募（一般型・通常枠）に合わせ、判断の考え方を整理しました。
迷ったら「因果が書けるか」「証憑で裏づけられるか」を基準にしてください。

申請前・採択後・実績報告のQ&A要点

Q1. 施策が多すぎます。絞るべき基準は？
A. 「費目→KPI→収益」の距離が短いものを残し、相関の弱い施策を外します。
KPIは月次で捕捉できる指標に限定。
Q2. ウェブサイト関連費の“装飾”改修は対象？
A. デザインのみでは効果測定が難しく弱いです。
計測設定（タグ管理・GA4）やCTA最適化とセットで“因果”を示します。
Q3. 展示会等出展費は「出るだけ」でよい？
A. 事前アポ・当日デモ・会後フォローをセットに。
ファネル（名刺→商談→受注）でKPIを連結します。
Q4. 機械装置等費は更新でもOK？
A. 単なる更新・修繕は弱いです。
工程短縮や歩留まり改善の根拠を示し、粗利への影響を数字で説明。
Q5. 委託・外注費は“丸投げ”できる？
A. 成果物・検収基準・権利帰属・秘密保持を契約に明記。
検収チェックリストで品質を担保します。
Q6. インボイス特例・賃金引上げ特例は両方使える？
A. 要件を満たせば併用の設計自体は可能です。
施策と証憑を同一ページで整合させ、実行時期も明示します。
Q7. 補助率2/3でも資金繰りが不安です。
A. 立替→精算の流れは変わりません。
支払サイト・短期資金・納期前倒し等で山を平準化し、キャッシュフロー表で確認します。
Q8. 審査で見られる最大のポイントは？
A. 実現性と波及効果です。
「なぜ今」「どこで回収」「誰が実行」を一気通貫で示します。
なお、文章表現は「具体→結論→理由」の順にし、接続詞の重複や主語の抜けを避けると読みやすさが向上します。
脚注で専門用語を補いつつ、本文は平易に。
提出直前は第三者の音読確認が特に有効です。
最後に、差し戻し対応のテンプレ（指摘→該当→対応→根拠）を1枚用意しておくと、再提出が速く進みます。
体験談（編集部・高橋）：実際に、サービス業K社はQ&Aを事前に整備したことで、社内の質問が激減。
正直、ここまで効くとは思いませんでした。
想像以上に、判断の“軸”が共有されると実務が軽くなります。

まとめ：第18回公募を勝ち抜く勘所



計画の強さは“準備の丁寧さ”で決まります。
費目とKPIの因果、特例の整合、証憑の突合——この3点を丁寧に積み上げれば、採択後の運用も迷いません。
最後に、行動に落とすための最終チェックを掲げます。

最後のアドバイスと行動チェックリスト

最後に、今日から着手できる3ステップです。
①現状のKPIを1枚に集約（売上・CVR・在庫回転・工程時間など）、②費目ごとに「やる／やらない」を線引き、③証憑の突合（見積→契約→検収→支払い）をフォルダ構成から設計。
これだけで、申請書の骨格はほぼ固まります。
インボイス特例は請求・会計・保存の運用図を、賃金引上げ特例は水準・対象・原資と就業規則の関係を、同じページで見える化。
ウェブサイト関連費・展示会等出展費・機械装置等費・委託・外注費は、KPIと回収シナリオを一文で結ぶ。
提出前は「内容凍結→誤字修正のみ」という運用に変えることで、差し戻し時の混乱が減ります。
行動チェック（抜粋）：
・KPIは月次で測定できるか／取得方法は明記したか
・費目ごとの“やらないこと”は書いたか
・相見積の比較可能性（仕様・数量・納期）は確保したか
・特例は要件→施策→証憑が同一ページで整合しているか
・契約・検収・支払いの突合は版管理で担保できているか
・差し戻し対応テンプレは用意したか
そして、読みやすさは正義です。
冗長な修飾を削り、箇条書きと表で“具体→結論→理由”を徹底してください。
審査側が迷わない文章は、そのまま現場でも迷いません。
体験談（編集部・高橋）：実際に、申請経験の少ないL社に伴走した際、最初は全員が不安顔でした。
正直、締切前はプレッシャーもありました。
しかし、想像以上に「やらないこと」を決めた瞬間から全体が澄み、数字と証憑が一直線に並びました。
結果、運用開始後の手戻りも少なく、施策の手応えが早期に出ました。
迷ったら、基本に戻る——それが第18回公募（一般型・通常枠）を進める最短ルートです。