ファクタリングを申し込む際、紙の通帳が手元になく、どの書類を提出すればよいのか迷うことがあります。

本記事では、ビートレーディング・ペイトナー・QuQuMo・OLTAの公式情報をもとに、必要書類や提出方法を比較します。

また、入出金履歴が不足している場合の注意点や、資金化が難しいケースも整理し、申込先を判断するためのポイントを解説します。

1. 通帳なしでファクタリングは利用できる?最初に確認したいこと

紙の通帳がなくても、ファクタリングを利用できる場合があります。

ただし、重要なのは売掛先との取引や入金実績を確認できるかという点です。

紙の通帳がない場合と、入出金履歴そのものが不足している場合では対応が異なるため、それぞれ確認していきましょう。

紙の通帳がなくても利用できる場合がある

ネット銀行やWeb通帳を利用している場合は、インターネットバンキングから取得した取引履歴を提出する方法があります。

例えば、ビートレーディングでは、ネット銀行の入出金明細について、PDFやスクリーンショットでの提出を公式サイトで案内しています。

紙の通帳を紛失した場合も、銀行のオンラインサービスや窓口で取引履歴を取得できるか確認しましょう。

ただし、提出可能な形式や対象期間はファクタリング会社によって異なります。また、必要書類を提出できても、審査通過が保証されるわけではありません。

入出金履歴が確認できない場合は審査が難しくなる

一方、過去の入出金履歴が不足している場合は注意が必要です。

特に、開業直後や事業用口座を開設したばかりの場合は、指定された期間の取引履歴を用意できないことがあります。

状況確認したいこと
事業用口座を開設したばかり以前使用していた口座に事業上の入金履歴があるか
開業直後で入金実績が少ない現在の取引状況で審査対象になるか
新しい売掛先との初回取引過去の入金実績がなくても審査に対応しているか

例えば、ペイトナーでは直近3か月分の入出金明細を必要書類としており、履歴が不足している場合は利用条件を満たせないことがあります。

請求書や契約書で取引内容を説明できても、必要な入出金明細の提出が免除されるとは限りません。

入出金履歴が不足している場合は、現在用意できる資料を整理し、申込み前に利用先へ確認しましょう。

ファクタリング会社が口座の取引履歴を確認する理由

ファクタリング会社が入出金履歴を求めるのは、主に売掛先との取引実績や請求内容の整合性を確認するためです。

例えば、過去に同じ売掛先から継続して入金があれば、取引実績を裏付ける資料になります。また、請求書と過去の入金記録を照合することで、取引金額や支払状況を確認できます。

ただし、過去の入金実績が今回の売掛金の回収を保証するわけではありません。審査基準も会社によって異なるため、入出金履歴はあくまで判断材料の一つとなります。

2. 通帳がない場合に用意したい代替書類

通帳が手元にない場合は、入出金明細と売掛債権を裏付ける資料を分けて準備することが大切です。

必要書類や提出形式はファクタリング会社によって異なります。ここでは、Web明細の準備方法と、取引内容を補足する書類について解説します。

ネット銀行のWeb明細・入出金履歴を提出する

入出金明細を提出する際は、ファクタリング会社が指定する期間や形式に合わせてデータを準備しましょう。

提出方法には、PDFのアップロード、スクリーンショットの提出、銀行口座の連携などがあります。

例えば、ペイトナーではMoneytreeを利用した銀行口座の連携にも対応しています。

Web明細を取得する際は、次の情報が確認できる状態になっているかチェックしてください。

確認項目提出前のチェックポイント
口座名義利用者本人または事業者の口座と確認できるか
対象期間指定された期間の履歴が含まれているか
入出金の内容入金日・入金元・金額などが確認できるか
ファイルの状態文字が鮮明で、必要な情報が欠けていないか
提出形式PDF・画像・口座連携など、指定された方法に対応しているか

特に注意したいのは、明細の一部を切り取ったり、必要な情報を隠したりしないことです。

ペイトナーの公式案内でも、不鮮明な画像や情報がマスキングされた入出金明細では審査できないと説明しています。

また、銀行によっては取引履歴をCSV形式で取得できますが、すべてのファクタリング会社が受け付けているわけではありません。

指定された形式で提出できない場合は、ファイルを加工する前に利用先へ確認しましょう。

請求書・契約書・納品書で取引内容を補足する

入出金明細とは別に、売掛債権の内容を確認するための書類が必要になる場合があります。

代表的な資料と役割は以下のとおりです。

資料確認できる主な内容
請求書売掛先・請求金額・支払期日
基本契約書・個別契約書取引条件・契約当事者・支払条件
発注書発注された商品や業務の内容
納品書・検収書納品や業務完了の状況
取引先とのメールなど発注内容や請求内容に関するやり取り

例えば、請求書に50万円と記載されていても、それだけでは契約内容や納品状況まで確認できない場合があります。

契約書や検収書などを併せて用意することで、取引の経緯や請求金額の根拠を説明しやすくなります。

ただし、これらの資料は入出金明細の代わりになるとは限りません。 また、書類の種類が多いほど審査に有利になるわけでもありません。

重要なのは、提出する書類同士の内容に矛盾がないことです。

請求金額や支払期日が契約当初から変更されている場合は、変更内容を確認できる資料も整理しておきましょう。

なお、発注書や契約書があっても、対象となる売掛債権が確定しているとは限りません。買取対象となる債権の条件は、申込み先に確認する必要があります。

本人確認書類など、その他の必要書類

入出金明細や請求書のほかに、本人確認書類や事業に関する資料を求められる場合があります。

特に、初回利用時は本人確認の手続きが必要になるため、申込み前に必要書類を確認しておくとスムーズです。

主な書類は次のとおりです。

  • 本人確認書類:運転免許証やマイナンバーカードなど
  • 事業に関する書類:開業届、確定申告書、決算書など
  • 銀行口座に関する資料:口座名義を確認できる資料など

これらをすべての会社が一律に求めているわけではありません。法人・個人事業主の区分や契約内容によっても異なります。

また、本人確認書類は有効期限内であることや、記載内容が鮮明に読み取れることも重要です。

申込み直前に不足が判明しないよう、必要な書類と提出方法をあらかじめ確認しましょう。

通帳がない場合も、まずは入出金明細を指定された形式で準備し、売掛金の内容を裏付ける資料と併せて整理することが基本です。

3. 通帳がない場合のファクタリング会社の選び方

紙の通帳がない場合は、各社が求める入出金明細の期間と、認めている提出方法を比較することが大切です。

オンライン完結のサービスでも、入出金履歴が不要とは限りません。

ここでは、ビートレーディング・ペイトナー・QuQuMo・OLTAの4社について、公式サイトに掲載されている条件を整理します。

各社が求める入出金明細と提出方法を比較する

4社はいずれも法人・個人事業主に対応していますが、必要書類や提出方法には違いがあります。

会社名利用対象主な必要書類紙の通帳以外の提出方法個別確認が必要な項目
ビートレーディング法人・個人事業主売掛金に関する書類、売掛先から入金がある口座の直近2か月分の入出金明細ネット銀行のPDF・スクリーンショット明細不足時の対応、追加書類
ペイトナー法人・個人事業主請求書、本人確認書類(初回)、直近3か月分の入出金明細Moneytreeによる口座連携、通帳履歴の写真提出利用銀行の連携対応状況、オンライン明細の提出形式
QuQuMo法人・個人事業主本人確認書類、請求書、全銀行口座の直近3か月分の入出金明細などマイページから書類をアップロード対応ファイル形式、個人事業主の追加書類
OLTA法人・個人事業主本人確認書類、請求書、全金融機関口座の直近4か月分の入出金明細、前期の決算書または確定申告書などPDF・Excel・PNG・JPEGなどをオンライン提出明細が不足する場合の対応、申告・決算資料の詳細

※2026年10月9日時点の各社公式サイト掲載情報をもとに整理。必要書類や提出方法は変更される場合があります。ペイトナーでは直近3か月分の入出金履歴がない場合は利用できないと案内されています。また、QuQuMoでは個人事業主に開業届または確定申告書一式などの追加資料を求めています。詳細は申込み前に各社の公式サイトで確認してください。

比較する際は、入出金明細の必要期間・対象口座・提出形式の3点に注目しましょう。

例えば、直近2か月分の履歴しか取得できない場合、ビートレーディングの公表条件には期間上合致しますが、ほかの3社では必要期間が不足します。

また、必要な期間の明細がそろっていても、指定された口座の履歴をすべて提出できるとは限りません。

申込先を選ぶ際は、手元の資料が各社の提出条件を満たしているかを優先して確認しましょう。

入出金履歴が不足する場合は申込条件を確認する

今回比較した4社はいずれも、入出金明細を必要書類として案内しています。

そのため、指定された期間の履歴を提出できない場合は、申込みを受け付けてもらえるか事前確認が必要です。

問い合わせる際は、次の3点を確認しましょう。

  1. 取得できる期間が短くても審査対象になるか
  2. 別口座の入出金明細を提出できるか
  3. 追加資料による補足が認められるか

ただし、必要期間が不足する場合は利用できないと明示しているサービスもあります。代替資料による対応が必ず認められるわけではありません。

必要書類の条件を満たせない場合は、無理に申し込まず、別のサービスや資金調達方法も検討しましょう。

4. 通帳なしでの資金化が難しいケースと対処法


通帳に代わる入出金明細を用意できても、売掛債権の内容や支払期日によっては資金化できない場合があります。

ここでは、必要書類以外に確認すべき買取条件と、利用を慎重に判断したいケースを整理します。

必要書類がそろっていても買取対象にならない場合

入出金明細などの必要書類を提出できても、売掛債権そのものがファクタリング会社の買取条件を満たしていなければ、利用できません。

例えば、QuQuMoでは、請求金額と入金日が確定している請求書を対象としており、すでに入金日を過ぎたものは申し込めません。

また、OLTAでは、請求金額・入金日が確定しており、入金日まで6営業日以上ある請求書を対象としています。

このように、買取対象となる条件はサービスによって異なります。

通帳に代わる資料を準備するだけでなく、売却したい請求書の支払期日や取引条件が申込先の基準を満たしているかも確認しましょう。

支払期限が迫っている場合は入金時期に注意する

公式サイトに「最短即日」と記載されていても、必要書類が不足している状態で当日入金されるとは限りません。

追加資料の提出や取引内容の確認が必要になれば、想定より時間がかかる可能性があります。

そのため、給与や仕入代金などの支払期限が迫っている場合は、ファクタリングの審査通過を前提に支払計画を立てないことが重要です。

希望する日までの入金が難しい場合は、取引先との支払条件の調整や金融機関への相談など、別の対応も並行して検討しましょう。

ファクタリングの利用を見送るべきケース

書類をそろえられる場合でも、無理にファクタリングを利用する必要はありません。

特に、以下の状況では慎重な判断が必要です。

状況判断のポイント
必要な入出金履歴を用意できない審査条件を満たせなければ申込みを見送る
売掛債権の内容を確認できない取引内容を説明できる状態になるまで確認する
希望する日までに入金されない別の支払手段を検討する
手数料を差し引くと必要額に届かない資金不足を解消できるか再計算する
慢性的な資金不足が続いている融資や収支改善など別の方法を検討する

また、紙の通帳がないことだけを理由に、必ず手数料が高くなるわけではありません。

見積もりを受け取った際は、最終受取額に加え、追加費用や不払い時の負担などの契約条件も確認してください。

通帳がない場合に最も重要なのは、審査に申し込める会社を探すことだけでなく、現在の資料と資金繰りの状況で利用すべきか判断することです。

5. 通帳なしのファクタリングに関するよくある質問

最後に、紙の通帳がない場合の申込みや、入出金明細の取り扱いについて、よくある疑問を整理します。

ネット銀行で紙の通帳がなくても申し込めますか?

申し込める場合があります。

ネット銀行のWeb明細やPDFなどに対応しているファクタリング会社であれば、紙の通帳がなくても必要な取引履歴を提出できます。

ただし、必要な期間や提出形式は会社によって異なるため、申込み前に確認してください。

Web明細のスクリーンショットでも提出できますか?

スクリーンショットを受け付けている会社もあります。

例えば、ビートレーディングでは、ネット銀行の入出金明細をスクリーンショットで提出できると案内しています。

ただし、必要な情報が欠けていたり、画像が不鮮明だったりすると受け付けられない場合があります。指定された形式と内容を確認しましょう。

開業直後の個人事業主でも利用できますか?

開業直後でも利用できる可能性はありますが、必要な入出金履歴を提出できるかが重要です。

例えば、直近3か月分の履歴を必須としている会社では、開業から間もなく必要期間の記録がない場合、利用条件を満たせないことがあります。

開業年数だけで判断せず、申込先が求める書類と対象となる売掛債権の条件を確認してください。

通帳の代わりに請求書だけを提出しても利用できますか?

請求書だけで利用できるかは、申込先の必要書類と審査条件によります。

請求書は売掛債権の内容を確認する資料ですが、銀行口座の入出金明細とは役割が異なります。

公式サイトで入出金明細が必要と案内されている場合は、請求書だけで提出条件を満たせるとは判断できません。

入出金履歴を用意できない場合は、申込み前に必要書類を確認しましょう。

6. まとめ|通帳がない場合は提出できる資料と利用条件を確認しよう

紙の通帳がなくても、Web明細などを提出することでファクタリングを利用できる場合があります。

一方、入出金履歴そのものが不足している場合は、必要書類の条件を満たせず、審査に進めないこともあります。

まずは取得できる取引履歴の期間と形式を整理し、各社の公式情報と照らし合わせましょう。

また、申込みが可能でも、希望する金額や期日に資金化できるとは限りません。

必要書類の条件だけでなく、最終受取額や入金時期も確認し、自社の資金繰りに合った方法を選ぶことが大切です。

この記事の著者

中村陽介

中村陽介(資金調達マップ編集部)

資金調達や売掛債権の活用法など、経営者が抱える資金課題をテーマに編集・執筆を担当。元ファクタリング会社に勤務していた経験を活かし、ファクタリングの仕組みや活用ポイントについて、実務的な視点から分かりやすく伝えることを重視している。

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